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ドローン(無人機)が、大きな産業になりそうだ。 ドローンは軍事目的で用いられているものが先に知られるようになったが、産業では農業、商業、救援、科学といろいろな分野にまたがって利用されようとしている。その中でも、既にビジネスとして成立しているのが農業分野だ。 ドローンは現在、広い範囲では利用ができない。連邦航空局(FAA)が2015年秋までにドローン飛行についての規制を固めることになっており、それまでは商業での利用は不可。趣味の場合でも、一般の空港から離れた地域で特定の高度までしか飛ばすことができない。 だが、農業の場合は広大な私有地を有しているケースが多いので、先に実用化が始まっている。農場の上空にドローンを飛ばして農薬でもまくのかと思いたくなるが、ドローンに関連した技術はグンと進んでいる。 農業用のドローンには高性能のカメラや温度、湿度センサーなどが搭載されていて、農場の環境をキャッチす
今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [3月25日号掲載] 娘が小学校を卒業するお祝いに、万年筆を贈ることにした──友人からある日、そう聞かされた。なんて素晴らしい選択だろう。彼女の娘の将来の夢は、総理大臣になること。世界の指導者は条約に署名するのにボールペンやシャープペンシルを使ったりしない。早くから練習しておくに越したことはないではないか! とはいえ友人いわく、万年筆はいつでも使えるわけではない。彼女の娘も、授業や宿題に使えるのはシャープペンシルだけだ。なんてもったいない。万年筆を教育現場に取り入れれば、産業界が直面する革新性の行き詰まりから出生率の低下まで、日本の差し迫った社会問題の解決につながるかもしれないのに。 私はよく、初めて日本に来たときの最大のカルチャーショックは何だったかと聞かれる。食べ物?お辞儀? 靴を脱ぐこと? いや、実は10代後半の若者が授業で鉛筆を使ってい
ここ10数年にわたって、浮かんでは消え、浮かんでは消えてきた「ネット・ニュトラリティー」、あるいは「ネット中立性」の話題が、最近再浮上した。 通信会社大手のベライゾンが連邦通信委員会(FCC)を相手に起こしていた裁判で、ワシントンの連邦巡回訴訟裁判所が1月14日、ブロードバンド回線を提供する通信業者にネット中立性を適用するのはFCCの権限を逸脱しているという判断を下したのだ。 のっけからややこしい話だが、そもそもこのわかりにくさがネット中立性が抱える問題である。したがって、普通の人々はよく理解することができない。そもそも自分に何の関係があるのかさえわからない。 しかし、インターネットのユーザーとしては、ネットのトラフィックを管理しているのは誰なのか、牛耳ろうとするのは誰なのかを理解するために、ある程度は意識的に追っておいた方がよい内容だ。場合によっては迷惑も降り掛かってくることなのである。
年明けから、「インターネットへのアクセスは人権か?」という議論が盛り上がっている。 ことの起こりは、昨夏に国連の特別報告書が、「インターネットは、民衆が正義と平等、説明責任、人権の尊重を求める際に核となる役割を果たしている」と記したことだった。 これはもちろん、北アフリカや中東で起こった民主化運動「アラブの春」で、インターネットやソーシャルメディアが多用されたことを受けたものだ。その後、先進国でも「ウォール街占拠運動」が起こり、そこでもインターネットを通じて組織化や寄付金集めなどが行われ、これに同意する機運が高まっていたわけだ。 ところが年明けに、グーグルの副社長で「インターネットの父」と呼ばれるヴィント・サーフがニューヨークタイムズ紙に意見記事を発表した。曰く、「インターネット・アクセスは人権なんかじゃない」。 サーフはインターネットの良心として敬われ、テクノロジーにも精通した人物。それ
今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔12月28日号掲載〕 言うまでもないことだが、日本にとって2011年は悲惨な年だった。けれど私は、2012年がついに日本にとって「目覚めの年」になると信じている。もちろん、東京にとってもだ。 ここ20年以上というもの、日本からは1つとしていい話が聞こえてこなかった。日本は誰にも止められずゆっくりと、永久的な衰退の道を進んでいるように見える。福島第一原子力発電所の事故は、やる気をさらにそぐことになった。ぱっと見で日本に下される診断は明確だ。この国は長期的な破滅へと向かいつつある──。 その一方で、実は「最悪の中の最良」にあるようにも見える。世界中のほとんどすべての国が、今の日本よりも一層ひどい状況にあるからだ。 アメリカは数々の大きな国内問題を抱え込み、外国に口出しするような余裕はない。ヨーロッパでも社会問題が噴出し、一向に改善しない雇用情勢に若者世代
辞めそうで辞めない首相が国民をいらだたせているが、本人はいたって意気軒昂・・・といっても日本のことではない。イタリアのベルルスコーニ首相は、収賄、詐欺、未成年者との売春などの容疑で十数回も訴訟を起こされているが、3度にわたって合計8年半も政権の座にある。これは戦後のイタリアでは最長記録で、イタリアは彼以外の首相が短命なことでもよく知られている。菅氏は戦後26人目だが、ベルルスコーニ氏は38人目だ。 共通点は他にもある。2000年代の実質経済成長率は、OECD諸国の中でイタリアが最下位で、日本は下から2番目だ。政府債務のGDP(国内総生産)比は、日本が最大でイタリアは第2位である。こういう状況になっても政府は問題の先送りを続け、いっこうに財政再建が進まないのも同じだ。 この原因も似ている。労働生産性はG7諸国の中でイタリアが最低で、日本は下から2番目だ。労働市場が硬直的で解雇が事実上できず、
京都大学など4大学で行なわれた入学試験のカンニング事件は、それを実行したとみられる予備校生が逮捕されたことで決着した。終わってみれば一人の少年の単純な犯行だが、この事件をめぐって繰り広げられた過剰な報道合戦は、日本のマスコミのITリテラシー(理解力)の低さをあらためて示すものだった。 最初に「ヤフー知恵袋」に京大の試験問題が投稿されたことが判明したのは2月26日で、夜になってNHKが京大当局の話を伝えると、さまざまな推測がツイッターで乱れ飛んだ。私がそれをまとめて27日朝にブログにまとめたところ、3日間で30万ページビュー近いアクセスがあった。 最初はかなり高度なハイテク犯罪かと思ったのだが、いろいろな人の話を聞くうちに、これはきわめて単純な犯行だとわかった。携帯電話が使われているからだ。パソコンはネットカフェなどを使えば身元を隠せるが、携帯電話は携帯電話会社のサーバーに識別番号(電話番号
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