大人の健康を考える「大人び」 幸福長寿について日本老年医学会の前理事長で、大阪大老年・総合内科学教授、楽木宏実さんに聞きます。(聞き手・山崎光祥) 科学技術の進歩により、そう遠くない未来には、今まで思っていなかったような形で高齢者の生活が変わるかもしれません。最終回は少し夢のある話をしましょう。 注目されている技術の一つは、人工知能(AI)やビッグデータです。例えば、同じ病気にかかった人々の過去の検査データなどから、共通する予兆などをあぶり出す研究が進んでいます。老後の生活を左右する様々な病気の発症や重症化を防げるようになると期待されます。 一方、細胞の老化制御も有望です。大阪大のグループは、老化に伴って増えるたんぱく質「ルビコン」の働きを抑えることで、ショウジョウバエと線虫の寿命をそれぞれ約2割延ばすことに成功しました。阪大の別のグループは、分裂できなくなった老化細胞が、様々なたんぱく
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