富士フイルムビジネスイノベーション(BI)は、IT部門の社員だけに依存しない「市民開発型」のデジタル変革(DX)で、複合機の重要部品の生産性を2倍にする製造ラインを構築した。トレーサビリティー(履歴管理)の電子化や生産状況の見える化などの改善と自動化を組み合わせ、ライン増設を伴わない改善活動で生産性を向上させた。まずは改善レベルのDXを推進し、中長期で人工知能(AI)活用などを取り入れる。 生産子会社の富士フイルムマニュファクチャリング(神奈川県海老名市)の鈴鹿事業所(三重県鈴鹿市)で、複合機の基幹部品であるトナーを紙に定着させるための定着ベルトラインを構築した。今後は海老名事業所(神奈川県海老名市)の別工程ラインでもDXを検討する。また鈴鹿や海老名、竹松事業所(神奈川県南足柄市)、富山事業所(富山県滑川市)の4拠点間で遠隔地からの見える化などによる連携強化を図る。 鈴鹿事業所の定着ベルト