大阪産業大学(大阪府大東市)の2009年度経営学部入試を巡る「やらせ受験」問題は、国の補助金確保を目的に行われた疑いが強まっている。 関係者は「入学意思のない付属高の優秀な生徒で合格枠を埋め、他の志願者を落とそうとした」と証言するが、なぜそんな工作に及んだのか。背景には、少子化の中、苦しい私立大の経営状況がある。 ◆ペナルティー 「このままだと『1・37』を超えてしまう。そんな焦りがあった」。同大学関係者によると、当時の入試担当者らが危惧していたのは、私立大学等経常費補助金の減額だった。 同補助金は1970年、私立の大学や短大などを対象に教育環境の向上や学生の負担軽減、経営健全化を目的に設けられた。国費を財源に、日本私立学校振興・共済事業団が交付。額は学生数や教職員数、研究内容などに応じて算出され、同大学は例年、全学部で総額10億円前後を得ていた。 ただ、この補助金は、定員に対する入学者の