SDGsで求められている持続可能な森林経営の実現のためには、森林管理の高度な知見を持った専門家の養成が重要です。森林の専門教育を行う教育機関に大学がありますが、従来の林学科が改組によって森林科学科や環境科学科などの名称に変わってきています。 私たちは、多様化する大学の森林科学関連学科について、専門教育課程のカリキュラムの調査を行いました。2019年時点で森林科学関連学科を持つ大学は29校ありますが、教育内容については演習林設置の他には統一的な規定はありません。旧林学科を系譜に持つ25校では、森林を含む学科(コース)に変わった学科の他に、農業全般を含む学科に改組したことで森林との関連が分からなくなった学科もありました(表-1)。さらに、3大学について森林の専門学科のカリキュラムを詳しくみたところ、専門分野(造林・立地や防災・水文など10区分)と基礎・総合(測量など)、合計159種類もの多様な