「あーん!」 目の前で、そう言いながらスプーンを差し出してくれてるのは、田中一郎。 将来弁護士の、金を生むオトコ… ランチタイムの混雑してるオシャレなカフェで“あーん”なんてしてもらってる自体、愛されてるって証拠じゃない? 「あーん!」 なんて私も、甘えた声で口を開ける。 私の口の大きさに合わせて一郎の手が動き、スプーンが口の中に入ってくる。 どっからどう見ても、幸せアツアツの二人♪ 一郎と知り合って、もう一週間。 日増しに新密度は上がってる。 つまり、私が玉の輿に乗る日が日々近づいていってるってこと。 あー…、一郎といると、ホント幸せなんだよなぁ~ まぁ、将来玉の輿っていうのが8割だとしても、あとの残りは、私のことを大事にしてくれそうな、この雰囲気かなぁ~? 何て言うのかなぁ? こう、何があっても守ってくれそうな? 弱弱しいけど、法の力で守りまっせ!みたいな? そういうとこ、ス・テ・キぃ