南極のオゾンホールの終わりの始まりだ。最新の調査によれば、春になると南半球にぽっかりと開いて危険な紫外線を通してきたオゾンホールが、2000年比で小さく、かつ出現が遅くなっているのだそうだ。 1987年、オゾンホールの回復を目的として締結されたモントリオール議定書によって、エアコンなどの冷媒として使用され、成層圏のオゾン層減少の犯人であったフロンガスが禁止された。今回の調査は、その効果を証明したものだ。 「惑星の住人である私たちは環境破壊というカタストロフィーを回避したのです」とアメリカ、マサチューセッツ工科大学の大気研究者スーザン・ソロモン氏。南極のオゾンホール研究の先駆者である彼女は、「やったわ!」と喜びの声を上げる。 回復の兆し オゾンホール回復の兆しはソロモン氏以外にも観測されている。2008年の研究からはオゾン層の減少速度が減速し始めたこと、2011年の研究からはオゾンが回復し始