新年度を迎え、昇進・昇格した人も多いだろう。自分の仕事ぶりや業績が認められるのはうれしいことだが、昇進がきっかけとなって、長引く体の痛み(慢性痛)が始まることもある。 ペインクリニックと呼ばれる分野の専門医である筆者のもとには、他の病院や診療科で診てもらっても症状が改善しないという理由から、慢性痛の患者がたくさん紹介されてくる。そんな患者の1人に、首・肩・背中に痛みを抱える30代後半のエリート男性がいた。 昇進がエリート男性を苦しめた この男性は、有名私立大学の経済学部を優秀な成績で卒業し、大手企業に入社した。そこで営業職として大きな成果を収め、数年後には別の大手企業に引き抜かれて営業関係の部署に就いた。そこでもすばらしい業績を上げたことで昇進して、数人の部下を持つことになった。 だが、これがよくなかった。 男性は昇進後、部下の面倒をみつつ、自分の仕事もこなさなければならなくなり、仕事量が
![体の痛みは健康状態だけが原因とは限らない](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da1dc5855de300aec80dfc9bff9c433a91d4a40f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fe%2Ff%2F1200w%2Fimg_ef9e409ce2c543c33f3bca0f8aee540e153332.jpg)