名古屋市中央部を南北に通る三つの推定断層について検討してきた市は21日、「活断層の可能性を否定することはできない」との報告書案をまとめた。政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、来年度から中部地方で始める活断層の調査でこれらの推定断層も対象に加えて活断層かどうか評価する方針だ。 活断層の可能性が指摘されたのは「堀川断層」「尼ケ坂断層」「笠寺起震断層」。堀川断層は名古屋城の西から堀川に沿って、尼ケ坂断層は名古屋城の東から、いずれも熱田神宮近くまで延びるとされる。笠寺起震断層はJR千種駅付近から南区へ至るとされる。これまでいくつかの論文などで市内の活断層の存在が指摘されてきたものの、市は公式には「活断層はない」としてきた。 だが、4月の熊本地震で、活断層による揺れで大きな被害が出たため、市は地質や地形の専門家らを委員とする市防災会議地震災害対策部会を9月から開催。三つの推定断層について検討し