先月実施された東京都立高校入試の理科の天体の問題を巡り、都教育委員会がホームページ(HP)で示した解答の解説を17日に撤回したことがわかった。天文学者らから問題や解説に異議があがったため。都教委は「問題は間違っておらず、受験生に不利益は生じていない」とし、採点上の措置はとらない方針だ。 出題された問題は、月と火星、金星の観察図などを手がかりに、宇宙での金星の位置を図から4択で選ぶもの。正解は「イ」で、配点は4点だった。 試験後、天文学者が問題の不備を指摘する報道があり、都教委が4日、HPで図に補助線を引くなどした解説を掲載し、問題の正当性を主張した。 この解説に対し、高校の地学担当教諭や塾講師などから異論が噴出。都教委には学者を含む15人から電話があり、多くは補助線の引き方に疑問を呈したという。都内の大手塾の理科講師は朝日新聞の取材に「受験指導では地球の中心から線を引いており、解説のように