19世紀生まれのユダヤ系オーストリア人心理学者、アルフレッド・アドラー。「自己啓発の父」として注目されているその思想を、第一人者が明快に講義する。 本記事は「COURRiER Japon」2014年9月号に掲載されたものを、2017年4月15日に岸見一郎さんが登壇するイベント「コントゥール2017」開催を記念して再録したものです。 アドラー(1870-1937)は、かつてはフロイトとともに研究していたのですが決別し、独自の「個人心理学」を構築した人物です。その学説はフロイト理論とは大きく異なり、たとえば苦しみの原因を「トラウマ」に求めません。いや、アドラーはそもそも原因を求めることすら否定します。 どういうことなのか、これからの説明で理解していただければ、あなたの人間関係も一変することでしょう。 隠された目的と「人生の嘘」 たとえば、「結婚は二人だけの問題じゃない。両家の両親に祝福されない