米オハイオ州立大学の研究者が、史上初めてほぼ完全な人間の脳を実験室で成長させたと発表した。 5週間の胎児の脳に似たミニチュア脳に意識は宿っていないが、発達障害の研究などに役立つ可能性がある。また、脳の発達の初期段階においてすでにアルツハイマー病やパーキンソン病などの薬が作用する領域が備わっているために、そうした薬剤の開発にも利用できる。 消しゴム大の脳は、成人した人間の皮膚細胞から作成されたもので、これまで開発された中では最も完全な人間の脳モデルだ、と研究を行ったレネ・アナンド氏は主張している。 この画像を大きなサイズで見る これまでの脳を成長させる試みでは、9週間の胎児の脳に似せたものが作られていたが、こうした「脳オルガノイド(原形質類器官)」は完全なものではなく、脳の一部の特徴のみしか有していなかった。 「私たちは完全な脳を一から育てることに成功しました」とアナンド氏。同氏のチームは、