オーストリア大統領選の決選投票が22日行われ、右翼ポピュリズム政党・自由党のノルベルト・ホーファー国民議会(下院)第3議長(45)が緑の党出身のアレクサンダー・ファンデアベレン元党首(72)に49.7%対50.3%の僅差で敗れた。票数にすると、222万3458票対225万4484票。3万1026票という紙一重の差だった。 「自由」の2文字が党名に入っているものの、自由党はもともと旧ナチ党員を主な支持層として組織された経緯から「極右」と称される。欧州連合(EU)初の「極右」大統領の誕生は民意の結集で何とか阻止できたが、自由党が50%近い票を集めるのは初めて。大きな衝撃が欧州を突き抜けた。 投票率は72.7%。即日開票の結果、ホーファーが得票率51.9%で14万4千票リード。しかし約70万票の不在者投票が残っていたため23日、不在者投票の開票が行われた。両親がソ連から逃れた難民だったファン