『かぐや姫の物語』が、9月にトロント国際映画祭で上映されました。高畑勲監督も出席し、上映前の舞台挨拶に登場。上映後は、高畑監督のインタビューが行われました。これも通常より長く、熱心なやりとりとなり、10月の北米公開に向けて弾みがついたのではないでしょうか。 人に訴える力のある絵で、映画を作りたかった ――かなり長いプロジェクトでしたが、これでこの旅も終わりという感じですか? 高畑: そうですね。もう、忘れようと思ってるところです。 ――この映画は、非常に完結されていて、綺麗な線で描かれてますけど、ここまでの美しさとシンプルさは一生かけて到達するものですか? 高畑: いや、それは、一生かどうかは分からないけれど、ずっと前からの願いですね。セルアニメーションっていうのをずっとやってるんですね。もっと、人の心に直接訴えるような絵で表現したいって気持ちが、強くあったんですけど、なかなかそうもいかな