2012年9月、兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒=当時(17)=が自宅で自殺したのはいじめが原因として、両親が当時の同級生や担任教諭、校長ら6人と県を相手に計約8860万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁であった。伊良原恵吾裁判長はいじめと自殺の関連を認めたが、自殺の予見は難しかったとした。賠償責任は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるなどとして同級生3人と県に計210万円の支払いを命じた。 同級生3人は男子生徒を「ムシ」と呼び、椅子の上に虫を置いたことなどについて「からかいのつもりだった」としたが、伊良原裁判長は「人格を深く傷付け、大きな精神的苦痛を生じさせた」としていじめと断定した。 「いじめではないと認識していた」とした担任教諭の主張に対しては、いじめが大勢の生徒の前で展開されたことなどから「漫然と発見する措置を講じなかった」と指摘。校長も「教諭を指導、助言した形跡