保護観察拡大し支援 刑務所で長期服役させるのではなく、社会の中で再犯防止を図る「刑の一部執行猶予」制度が6月1日から始まる。保護観察期間は従来より長くなり、再犯率が高い薬物依存者の更生や社会復帰につながることが期待される。新しい更生プログラムの作成も進むが、更生保護施設や医療機関など、立ち直りを支援する施設の体制は十分とは言えず、課題も残っている。【近松仁太郎、鈴木一生、和田武士】 「薬物事件は、長く刑務所に服役させても再犯率が高いという実感がある。刑務所ではなく薬に手が届く環境に身を置いた上で、やめさせることに意味がある」。ベテラン裁判官は一部執行猶予制度の意義をそう強調する。 この記事は有料記事です。 残り1548文字(全文1841文字)