Text by Jeffrey Gettleman Photographs by Tara Todras-Whitehill / The New York Times ネパール西部には、いまも月経にまつわる悪しき習慣が残る。生理中の女性は狭い小屋に隔離され、自分の子供にすら触れてはならない。蛇に咬まれたり、焚き火の煙を吸い込んだり、寒さによって凍え死んだりしていくのだ──。米紙ニューヨークタイムズが報じる。 ネパール西部のタルマカンドにある田舎の村で、ガウリ・クマリ・バヤクは才色兼備の女性として目立っていた。受け持つ講義に向かうため道を下るときは、多くの人が彼女の自信に満ちた姿に見とれていた。 しかし2018年1月、バヤクの亡骸は丘の上に運ばれ、その死を悼む人々が大声で泣きながら列をなした。遺体は荼毘に付され、服は形見分けされた。 彼女は月経中に隔離を強いられ、そこで死んだのだ。 彼女がい