生成AIの急速な進化は、多くの分野で生産性の向上や人件費削減などの利益をもたらしている。しかしその反面、ソフトウェア開発におけるテスト工程の複雑化などにより、品質保証のプロセスにおいてさまざまな問題が発生している。こうした問題への対処として、開発プロセスの早い段階でテストを行うことで問題を早期に発見し修正する「シフトレフト」、リリース後の本番環境で、実際のユーザーデータを用いて問題を発見し迅速に修正する「シフトライト」の2種類のアプローチが試みられている。こうした複雑化の背景や、シフトレフト/ライトの考え方について、高橋寿一氏によるセッションが行われた。 生成AIで複雑化するテストプロセスとソフトウェア品質 セッションの冒頭、高橋氏は「AIの品質保証は、今後かなり面倒になる」としたうえで、「AIの台頭がさらに進むと、品質保証にかかるテスト費用は増える。このテスト費用はここ30年変わらなかっ