キラキラした暮らしに憧れて上京し、夢破れて故郷へ帰る。そんなとき、心に迫りくるのは、みじめな「都落ち」という感覚。Uターンを経験した人ならば、少なからず身に覚えがあるのでは。 「ピストン藤井」の別名でも活躍しているライターの藤井聡子さん(40)。彼女もまた「都落ち」という感情に一度は囚われたひとり。 藤井さんは東京で雑誌編集の仕事に就き、30代を目前に、ふるさとの富山県へと帰還しました。東京での暮らしに疲れ、生まれ育った富山県へと引き返した数年は、「都落ちという気持ちにさいなまれた」と彼女はいいます。 富山在住のライター、藤井聡子さん。「ピストン藤井」のペンネームでも活躍している 「いま考えれば、富山へ戻ることを『都落ち』と感じたのは、とても傲慢でした。東京が私に何かひどいことをしたわけじゃない。私が勝手に東京へ行って、勝手に踊って勝手に足をくじいただけ。それに、ずっと生活を営んできた富山