雑誌『和樂』で「イノリノカタチ」を連載中の彬子女王殿下が、和樂webに今、届けたい思いをご寄稿くださいました。新型コロナウィルスによる影響で、多くの舞台が中止、延期されている昨今。演劇や音楽がもつ力、それに関わる方々が舞台に込めるイノリノカタチをお伝えいただきます。 舞台からの祈り 文・彬子女王 いつのころからか、舞台に立つことを生業とする友人が多くなっていることに気付いた。音楽の人も、舞踊の人も、演劇の人も。伝統文化の人も、ポップカルチャーの人も。彼らはいつも私にいろいろなことを教えてくれる。どれだけの人が一つの舞台を作り上げるのにかかわっているのか、稽古の大変さ、役にかける思いなどを聞いていると、刺激になることばかりで、新しい道が開けるような気持ちがすることが多い。 でも今、新型コロナウィルスの感染が広がり、先行きが見えない中で、彼らから聞こえてくるのは悲痛な叫びばかりだ。「会社の赤字