1時間を超すインタビューの中で、堀江元社長の淡々とした口調が変わった瞬間があった。「賃金」と「規制緩和」が話題に上ったときだ。 「グローバル化が進んで、中国やインドの労働賃金の安さに日本は勝てなくなっている。日本という小さな島のクオリティー(質)を上げるには、科学や技術に優れた人たちを応援して伸ばして、仕事をしやすいようにするしかない。それが、全体への富の配分となり、最低賃金を上げることにもつながる。それなのに、官僚が権限を手放したくないために規制を強化し、金持ちから単純に税金を取り上げるとなれば、みんな逃げ出します。自由に生きたいと思っている人が『この国、やだよ』になっている。ぼくは行かないけど、周りにいますよ。本気で嫌になって外国に行く人が。あんなの、いいのかな」。最後は、興奮したように語気を荒らげた。 「この国」という言葉が元社長から出たのは意外な気がした。インターネットという国境を
インタビューに答える元ライブドア社長の堀江貴文さん=東京都港区のホテルで2008年9月12日、丸山博撮影 「蟹工船の漫画は読みましたよ」 堀江貴文・ライブドア元社長(35)は言った。東京都港区のホテルに、黒いTシャツ姿で現れて。「ぼくは本は読まないんです。本は固定された情報なんで、古くなっているものもあるし、余計な表現もあって、読むのが大変なんです」。以前からですか? 「そうですね。拘置所の中ぐらいです、読んだのは。『沈まぬ太陽』(山崎豊子著)とか、経済ものも。時間がいっぱい余ってやることがなかったんで」 後から、元社長が読んだ「まんがで読破 蟹工船」(イースト・プレス社)に目を通すと、10分で読了。なるほど早い。先日、久しぶりに開いた小説は3時間かかった。劣悪な労働条件を強いる資本家に、労働者が団体で立ち向かうという流れは原作と同じだが、記者には漫画の絵は迫力がありすぎた。 さて、ホリエ
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