技術者・プログラマが、ド・ラーム理論〈de Rham theory〉やホッジ理論〈Hodge theory〉を必要とすることなんてあるのか? ほとんどないとは思うのですが、「稀にはある」というのはどうも事実のようです。 なので、そのテの話をします。簡単なオモチャ〈toy model〉に関して、ド・ラーム・コホモロジーと調和形式によるその表示を、線形代数の技法だけで定式化します。その際、多様体や微積分の知識は仮定しませんし、使いもしません。ただし、背景や周辺のオハナシではいろんな概念が登場します、オハナシとして。 今回・前編(1/2)と次回・後編(2/2)の2回に分けて書きます。「ド・ラーム・コホモロジーとホッジ分解のオモチャ」の中核となる有限次元線形代数の議論は次回に行います。今回は、全体像や周辺知識、準備的な項目についてウダウダ述べます。 内容: 予備知識は線形代数だけ 背景のオハナシ(