城平京さんの長編ミステリーデビュー作である「名探偵に薔薇を」を読了した。 雨で自転車通勤ができず、通勤電車の中で読もうと思って本屋で手に取ったが、思っていた以上に読みやすく、気付けば夢中になって読んでいた。 以下、多少なりネタバレを含みつつ読後の感想です。 まず自分がこの本を手に取ったきっかけは、城平京さんが絶園のテンペストの作者であった事と、 第一部は良く出来た推理小説。 しかし第一部で読むのを止めないでください。 第二部を読み終えた時に、第一部に対する印象が変わります。 という本屋の煽り文句に惹かれたからだ。 第一部は「メルヘン小人地獄」という一つの物語を巡る猟奇的連続殺人の話。 小人達に対して悪行の限りをつくした挙句にあっさりと死んでしまった博士に対し、小人達が抱えていた恨みを晴らすため、ハンナ、ニコラス、フローラの三人を槍玉に挙げて復讐劇を繰り広げるといった内容。 第一部ではそれに