どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう 宮沢賢治の童話、『風の又三郎』の冒頭で出てくる「どっどど どどうど」という音の響きからは、強い風がものすごい力で吹き付けていることを生々しく感じます。このような、耳に聞こえる音や声を模写したことばを擬音(声)語とよびます。 擬音語と似たものとして擬態語というのもあります。辞書を引いてみると擬態語は「物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する語(大辞林・三省堂書店)」とあります。つまり「さらさら」とか「きらきら」とか「ちくちく」のような表現です。 擬音語や擬態語を総称してオノマトペと呼び、日本語にはこうしたオノマトペがとりわけ豊かに存在しています。今回は、ことばの中に潜む音楽的な要素のひとつとして、音色・音感だけで様子や情感を伝えることができるオノマトペについ