ある日、クレジットカードの明細を見てみると、身に覚えのない買い物の請求が来ている。カードを盗まれたわけでもなければ、カードの磁気情報を特殊な機械で読み取る「スキミング」を受けたわけでもない。また、架空のWebサイトやメールを使ってネット上でカード情報を入力させる「フィッシング」に遭遇した記憶もない。そもそも、そのクレジットカードでネットショッピングを1度もしたことがない。もちろん、企業から個人情報が流出したわけでもない。それなのになぜ自分が被害に遭うのか? こんな、持ち主側で取るべき防止策がない窃盗事件が起きている。クレジットカード番号の規則性を悪用して他人のカード番号を割り出す「クレジットマスター」と呼ばれる犯罪だ。今年7月全国で初めて摘発され、新聞紙上をにぎわせた。これまでのクレジットカード犯罪とはまったく違うクレジットマスターの実際と対応策について解説しよう。