Michael J. Shea, MD, Michigan Medicine at the University of Michigan 失神とは,突然生じる短時間の意識喪失のうち,姿勢緊張の喪失を伴い,自然に回復するものである。患者は動かず,ぐったりとし,通常は四肢が冷たく,脈は弱く,呼吸は浅くなる。ときに,痙攣発作に似た不随意性の筋痙攣が短時間生じることもある。 失神前状態では,ふらつきと卒倒感が生じるが,意識喪失は伴わない。失神と原因が同じであることから,通常は失神に分類され,同様に論じられる。 痙攣発作は突然の意識喪失を伴うことがあるが,失神とはみなされない。しかしながら,失神と思われる患者が受診した場合には,病歴が不明または聴取不能のこともあり,また一部の痙攣発作では強直間代痙攣がみられないことから,痙攣発作も考慮する必要がある。さらに,短時間(5秒未満)の痙攣発作はときに真の失