一刻も早く「誰が加害者か」よりも「誰が被害者か,誰に目を配る必要があるのか」に目を向けなければならない.ネグレクトやいじめ,暴力などの被害から,子どもたちをいかに守り,サポートするか.社会的な脆弱性はどこにしわ寄せされるのか.世界的第一人者,フィンケルホー氏が伝える,アメリカの実践と研究の集大成. ■著者からのメッセージ 本書の中心的論点は,今まで私たちが大きな視野を持てずにいた,との指摘にある.私たちは,子どもの被害に関して性的虐待,いじめ,ドメスティック・バイオレンス環境といった特定の脅威に焦点化しすぎてきた.そのために,本来は共通の問題意識を持つ実践家や研究者たちなのに,自分の関わる個別事象に社会的な注目を集めようと互いに競争をひき起こしてきた. この断片化によって,不幸にも見落とされてしまっていることがある. 子どもの被害の深刻さと複雑性がどれほどなのか認識がされてこなかった. 組
2010年10月24日日曜日 SNSとスマートフォンで新たな人身売買の幕開け フェイスブックが欧米のみならず、アジア中に普及していることは先に書いた。このような現象は世界的なものなので、さらに今後も続いて行くだろう。 そして、子供たちが実名主義のフェイスブックに登録するようになればなるほど、後進国ならではの問題も発生するようになっている。フェイスブックを使った人身売買だ。 フィリピンの子供たちはまさに人身売買の標的になっており、フィリピン国内の幼児性愛のみならず、世界中の人身売買業者が注目する国である。 貧困で子供たちの面倒を見られない親がいる。出稼ぎで国外とのつながりが深い。英語を話す。 英語が話せて国外とつながりが深いというのは、表側から見ると国際的に活躍できる条件が整っているということだ。場合によっては次世代のフィリピンは誰もが想像できないような飛躍を見せる可能性すらある。
・ゲームと犯罪と子どもたち ――ハーバード大学医学部の大規模調査より 「1994年から2001年までに殺人、強姦、強盗、加重暴行による逮捕者数は44%減少し、逮捕者数に占める青少年の割合は1983年以来最低となった。1993年には殺人事件による青少年の逮捕者数が3790人に達したが、2004年は1110人で71%減少した。」 ちなみに1995年が一般には暴力的とされるアクションゲームの大ヒット作『DOOM』の発売年である。この7年間はゲームが一般に浸透していく時期であった。一般の予想に反して、米国では(おそらく日本でも)ゲームの人気と現実世界の青少年の暴力は確実に反比例していたのである。 この本はハーバード大学医学部は1257名の子供と500名の保護者、数百名の業界関係者を対象に、ゲームが子供に与える影響を科学的に調査した報告である。結論からいうと、いくつかの相関はあるが、子供のゲームと暴
小児科受診で将来の暴力行為を予防可能 〔米オハイオ州クリーブランド〕バンダービルト大学(テネシー州ナッシュビル)Monroe Carell Jr.小児病院小児科のShari L. Barkin部長は,診察室での短時間のインターベンションにより,将来的な小児の暴力行為を予防することが可能だとPediatrics(2008; 122: e15-e25)に発表した。同部長によると,暴力行為との相関性がこれまでに示されている因子を変えるという概念に基づいた"先行ガイダンス(anticipatory guidance)"を提供することで将来の暴力行為が予防できるという。 このような因子には,暴力的なメディアゲームや暴力的内容が多く含まれるメディアとの接触機会を小児に与えすぎることなどがある。暴力に結び付く他の要因は,体罰や安全に保管されていない家庭の銃器などである。 親と小児科医との会話は実際に
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