昨年の日本経済を振り返ってみれば、1つのテーマにインフレが挙げられるだろう。これまで長くデフレ経済に苦しみ、日銀もデフレ脱却を掲げて異次元の金融緩和を継続していたことを考えれば、いよいよ日本経済も大きな転換点を迎えたかのように感じられる。 しかし、経済にそれほど興味や関心がない方からは、デフレ脱却を目指していたのに、いざインフレになったら生活が苦しくなったため、『これなら物価が下がるデフレの方がよかったではないか』という意見も散見された。 私はここ数年、インフレには大きく分けて2つの種類があると主張し続けてきた。1つは需要が物価を押し上げる「ディマンドプル型」で、もう1つはコストが物価を押し上げる「コストプッシュ型」だ。言うまでもなく、昨年日本で生じたのは後者のインフレで、これを「悪いインフレ」と表現することもある。 厚労省の毎月勤労統計調査によれば、実質賃金は20カ月連続でマイナスとなっ
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