@バンクーバー バックナンバー ヨナ一色 引き込む力2010年2月25日17時0分 バンクーバー五輪でスピードスケート以外の種目を初めて観戦した。フィギュアスケートを生で見るのも初めてだった。 本当にシロウトだから論評する資格などない。が、金妍児(キム・ヨナ)の絶対的な強さだけはわかった。 女子ショートプログラム。浅田真央が最高の演技をした。その直後の滑走。直前までリンクの空気は浅田のものだった。金はミネラルウオーターを一口飲んだ。鼻をかんだ。「よし」と気合を入れた瞬間、リンクの空気ががらりと変わった。金妍児の世界に変わったのだ。 僕も、レース前、自分の磁場を作り出す訓練をしていた。その磁場にスターターを引き込んで、自分のタイミングでピストルを打たせるのだ。そのスケールを数倍大きくしたのが金だった。 会場が金一色になる外的要因もあっただろう。彼女は2007年から練習の拠点をカナダに移してい