ブレヒトが能の台本を元に書いた芝居がある。"The Man Who Says Yes" "The Man Who Says NO" という対をなす二つの戯曲で、ブレヒトの初期の教育劇として割と有名なもの。世阿弥の娘婿にあたる金春禅竹が書いた『谷行』という曲を元に書かれている。クルト・ヴァイルが曲をつけ、学生向けのオペラとして完成された。 これ、授業で触れる際、ぜってー「ヘイ、ユー・ジャパニーズ! ワッツ修験者? ワッツ谷行?」とか聞かれるに違いない、と先読みしてちょっと検索してみたんだけど、したら何かとんでもない上演記録が残っていた。 問題の芝居は、2000年4月に『無条件降伏委員会』によって上演された、『イエスマン(The Man Who Says Yes)』と『ノーマン(The Man Who Says No)』の連続上演。フランス演劇研究者の佐藤康氏が残した劇評に、詳細な記録が残って