―「考える人」「芸術新潮」2誌の編集長をされていますが、今回は「考える人」をメインに聞かせてください。「考える人」もついにweb特集(2009年秋号)かと、やや複雑な思いでいます。どういう立ち位置でつくられましたか。 特集「活字から、ウェブへの・・・・・・。」ですね。 いま出版の世界では、このままではwebに席捲されて、紙に軸足を置いた仕事ができなくなるのではといった側面ばかりが語られているような気がして、そこをもう一度しっかり考えておこうということなんです。 個人的には紙に印刷された本はなくならないと考えています。 グーテンベルクが印刷を発明してから約550年がたつわけで、紙に印刷されたメディアというものは、すでにわれわれに身体化されています。つまりわれわれの無意識のなかにも深く入り込んでいるわけで、この部分、この魅力をきちんと振り返りつつ、電子メディアとどうつきあうか、ということを考え