アンドリュー・カンパーナ(ハーバード大学 日本近現代文学博士課程) 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、日本に関わる研究を行う学者・研究者を日本に招へいしています。2015年度フェローとして、慶応義塾大学で「20世紀日本におけるメディアを横断する詩」の研究を行ったアンドリュー・カンパーナ氏に「戦後日本における『詩』とは? 紙面を超えた実験的な詩作活動」と題するエッセイをご寄稿いただきました。 東京に滞在していた数年前、深夜に地下鉄大江戸線のプラットフォームで地図を見ていたら、少しお酒の入った若いカップルが近寄ってきて道順を教えてくれた。そして、その後色々と質問をしてきた。「日本で何をしているの?」-「学生です」、「何を勉強しているの?」-「日本文学です」、「どんなジャンル?」-「現代詩です」。一瞬の沈黙の後、女性の方が突然大声で私にこう言った。「すごい退屈!あなた退屈な人ね!」