緊張病症候群などで入院した場合、しばしば高血圧が見られる。これは年配の人だけでなく若い人も同様で、その程度や状況を見て降圧剤を併用することもある。 この高血圧はいわば精神症状のようなもので、元の精神疾患と一連のものである。だから緊張病症候群が落ち着いてくると、次第に血圧が下がり、遂には降圧剤も必要なくなる。 精神疾患に伴う高血圧は疾患特異性がなく、しかも時間のパラメータにより変化しているようである。だから、いったん落ち着いて血圧が正常化しても、病状が悪化すれば高血圧も再現する。 問題は、そのような高血圧に何を処方するかである。 最近はARBが流行だが、やはりアダラートLやアムロジン(ノルバスク)が優れる。なぜなら、抗精神病作用も併せ持つからである。ARBとは、アンジオテンシン受容体サブタイプのうちAT1受容体に拮抗する降圧剤で、商品名では、ディオバン、ブロプレスが有名である。(心臓に脆弱性