ノアの三沢光晴、大阪プロレスのテッド・タナベとリングの雄があいついでこの世を去った。 「プロレスってリアルファイトじゃないんでしょ?」という認識の人だとピンとこないかもしれないがプロレスファンの私にとってプロレス以上のリアルファイトはこの世に無い。たとえば試合時間。ベルトがかかっているマッチなら40分ノーブレイクで戦い続けるなんてザラである。タッグマッチなら1時間はかかる場合も珍しくない。ボクシングのようにラウンド制でもなく、フォールするまで動きっぱなしなのだ。 ところでプロレスの世界では年を重ねるごとに強くなるというスポーツの常識を覆す傾向がある。この傾向はプロレスが「技をかける」「技をかけられる」「技をみせる」という3つの要素が三位一体となって完成するスポーツであることに起因する。 若い選手の場合、技をかけるので精一杯なのはよくあることで、体ができてくると技の受けも美しくなり、さらに場