夕刻に飛ぶコウモリの熱画像。米テキサス州ブランコ郡。(PHOTOGRAPH BY NICK HRISTOV, UNIVERSITY OF CHICAGO, PBZ) 感染症そのものと同じくらい感染力の高い治療法というものを想像してみてほしい。そのワクチンは宿主の体内で複製され、近くにいるほかの個体に広がって、集団全体を病原体の攻撃からすばやく、簡単に守ってくれる。現在、世界各地で複数のチームが、さまざまな議論を呼んだ「自己拡散型」ワクチンの開発を再開している。 彼らが目指すのは、野生動物間での感染症の広がりを抑え、それによって有害なウイルスや細菌が人間にうつるリスクを下げることだ。多くの専門家が、新型コロナウイルスのパンデミックの原因であるSARS-CoV-2はそうした経路で広がったと考えている。 米国疾病対策センター(CDC)の推定によると、既知の感染症の60%、新規および新興感染症の7