まず攻撃者は辞書攻撃によってTelnetサービスでの侵入を試みる。横浜国立大学大学院環境情報研究院/先端科学高等研究院の吉岡研究室が2015年に実施した観測では、いくつかの辞書攻撃のパターンが頻繁に見られた。攻撃パターンが複数あるということは、様々な攻撃者、または複数種類のマルウエアが攻撃を仕掛けていると推察できる。 辞書攻撃でTelnetサービスへの侵入に成功すると、次に攻撃者は侵入先の環境(CPUアーキテクチャー)をチェックし、マルウエア本体のダウンロードを試みる。実際の観測では、侵入先の環境に合わせたマルウエアのバイナリーコードを送り込んでくる攻撃も確認された。 観測された攻撃の中には、10種類ほどのCPUアーキテクチャー向けのマルウエアを次々と送り込み、とりあえず実行して動くものを探すという荒っぽい手法も多く見られた。これは多様なデバイスに感染させるための戦略だろう。様々なCPUア