CES2010に出展する日本メーカーの中でも、テレビ以外に主力を置いて展示をしていたのがJVC(日本ビクター)のブースだ。業務用向けの3Dディスプレイのほか、ホームシアター用の4k2kプロジェクターやビデオカメラ「Everioシリーズ」の新製品などを展示していた。 パッシブタイプの3Dメガネを使う業務用46V型ディスプレイ「GD-463D10」。映画館で主流となっている「RealD方式」と同様、安価な円偏光タイプの3Dメガネで視聴できるのが特徴だ(画像クリックで拡大)
今となっては思い出すのも難しいかもしれないが、2000年最初の10年が始まった頃、ドットコムバブルは、まばゆいばかりの頂点を極めようとしていた。しかし、そのバブルも数カ月後には崩壊する。当時、Googleは、巧みなビジネスモデルと素晴らしい技術を組み合わせたところで、Appleは、その魔力をこの上なくはっきりと取り戻しつつあり、Bill Gates氏は、米連邦政府のやっかいな独占禁止法取締官たちにいらつかされていた。 時が経ち、 Googleは大企業になり、「iPhone」 はスマートフォンのデザインにおける壁を打ち破り、ソーシャルメディアが主流となった。だが、最も大きなニュースは何であったのだろうか?2000年になって最初の10年が終わろうとしている今、この間において最も重要と思われるニュースを集めた。 提供:James Martin/CNET 今となっては思い出すのも難しいかもしれない
編集部より「2009年を振り返りつつ、2010年の通信業界を見据えて、いくつかのテーマをピックしながらトレンドを振り返ってもらえませんか?」というお題を頂いた。年の締めのコンテンツで細かい動きや業界内部関係者しか必要のないところをいじっても仕方ないので、メジャーで、おそらくは数年以上のスパンで重要なテーマとなりうるいくつかのものを取り上げてみたい。 Androidとスマートフォン 2009年の振り返りの冒頭にiPhoneという単語を持ってくるのは、とりあえず枕としては間違いのないところであろう。端末の販売代理店に該当し、通信サービスの提供者であるソフトバンクモバイルの動きについてもトピックは多数あるが、今回は割愛して端末周辺を議論対象とする。 iPhoneの語られ方は、当初は「Appleすげぇ」「ジョブズかっけ〜」といったところだったが、徐々に「携帯電話のガラパゴス論(※編集部注:日本の携
この2年、人々はただやることをやり、できるだけ現状を維持し、新しいアイデアに時間を使いすぎないようにする「雌伏」モードに陥りがちだった。 幸い、このような考え方に追随しないIT企業、開発者、起業家はたくさんいた。この1年、革新的な最新の製品や技術に取り組む大企業、小規模企業、独立系の開発者や研究者の例が多く見られた。 こうした人たちには大いに感謝しなければならない。彼らはわたしたちにとって、厳しい時代から生まれた大きな希望の1つなのだから。 たいていの場合そうなのだが、新しく革新的な技術は、ビジネスを改善し、皆に新たな機会を作り出すという点で最も強力な成長エンジンとなる。 2009年、わたしたちは今のユーザーや企業に恩恵を与えるだけでなく、企業や個人を高揚させる次の波となり得る未来の技術環境への道を指し示す新たな革新技術をたくさん目にしてきた。 では、その革新的な製品や技術とはどんなものだ
NECは、11月5日に開幕したプライベートショー「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」(東京・国際フォーラム、6日まで)で、ブラザー工業の眼鏡型網膜走査ディスプレイを採用した業務システム「Tele Scouter」(テレスカウター)を参考出展している。眼鏡型ディスプレイを実際に装着し、使用感を試すこともできる。 網膜ディスプレイは、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速に動かすことによる残像効果を利用し、網膜に映像を投影する技術。NECのシステムは、ブラザー工業が開発中の眼鏡型ディスプレイを採用。来年11月から出荷する予定で、工場や倉庫の現場支援用途や、コンテンツ配信などへの展開も進めていく考えだ。 デモでは、顔認識システムと組み合わせて顧客情報を表示したり、翻訳技術と組み合わせた自動翻訳システムを体験できる。顔認識システムと組み合わせたデモでは、WebカメラとP
見てきたばかりのコンサートのライブ音源を、CDやUSBメモリですぐに購入できる――このようなサービスを英EMI Musicが立ち上げた。 EMIの新サービス「Abbey Road Live」では、ライブ会場でスタッフがライブを録音してミキシング、マスタリングし、ライブ終了から数分で販売開始できるようにする。ライブ音源や映像はCDのほか、DVD、USBメモリ、コンピュータや携帯電話へのデジタル配信などの形でも提供する。 Abbey Road Liveサービスは、有名な音楽スタジオAbbey Road Studiosに本拠を置き、同スタジオのノウハウや技術を活用する。初めは北米と欧州でサービスを提供する。 EMIは傘下のレーベルMute Recordsで既に、ライブ音源をその場で編集して販売するサービスを提供しており、Abbey Road Liveはこれを拡張したものとなる。
薄くてぐにゃりと曲げられる次世代の太陽電池をめぐり、化学・合繊メーカー各社が関連製品の開発にしのぎを削っている。「有機薄膜太陽電池」と呼ばれるもので、柔らかい樹脂フィルムを素材に使うため、ガラス製の従来製品に比べて設置場所を選ばず、デザインの自由度も格段に高まる利点がある。このため各社は新たな需要を見込み、早期の事業化を図る考えだ。 三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学は平成22年度までに有機薄膜太陽電池の出荷を始め、27年度には本格的な量産態勢に入る計画だ。同社の製品は厚さが1ミリ程度で、ポリエステルなどの樹脂フィルムに発電機能を持つ有機化合物を溶かした液体を塗りつけて製造する。印刷技術を応用して効率的に生産できるため、既存の太陽電池に比べ大幅な低価格化を実現できるとみている。 同社は今春、有機薄膜太陽電池の事業化に向けて専門組織「OPV(有機太陽電池)事業推進室」を立ち上げた。今
「モンスターテレビ」と評されるテレビが、この10月東芝から発表された。HDD容量は3Tバイト、14基のデジタルチューナーを備え、26時間×8chの丸録りを実現するという桁違いのスペック。そしてプロセッサには、Cell Broadband Engineを採用した。 世界初のCELL搭載テレビ「CELL REGZA 55X1」を発売する東芝に、4年を費やしたという開発の道程とCELL REGZAの登場がテレビ市場にどんな変化をもたらすのかについて伺った。 作りたかったのは「究極にワクワクするテレビ」 ――いよいよ12月にCell Broadband Engineを搭載したCELL REGZA 55X1が発売されますが、具体的に現行の薄型テレビとはどう違うのでしょうか。 本村:テレビであることに変わりはないのですが「中身」と「コンセプト」は全く違います。CELL REGZAは、「テレビって進化し
360度どこからでも鮮やかな立体画像が ソニーの裸眼立体視ディスプレイを見てきた:DIGITAL CONTENT EXPO 2009 東京・日本科学未来館などで開かれている「DIGITAL CONTENT EXPO 2009」(10月25日まで)で、ソニーが新開発した、360度どこからでも立体に見える裸眼立体視ディスプレイが展示されている。 直径13センチ、高さ27センチと小型の円筒形で、角度1度ごとに360種類の画像を用意し、立体に見えるようにしたという。詳しい仕組みは「秘密」だが、発光素子はLED、解像度は、96(縦)×128(横)ピクセル、24ビットフルカラーに対応という仕様は明らかになっている。 デモでは、動物のようなキャラクターや、女性の顔や自動車、デジタルビデオカメラの写真などを切り替えて表示。顔写真なら、横から見れば横顔が、後ろに回り込めば後ろ姿が見える。画像は明るく精細で奥
現実世界の見え方を補完する 拡張現実(Augmented Reality、AR)とは、コンピュータなどのテクノロジを駆使し、実世界の見え方を補完する技術を指す。どのような形で実現されるかの定義はないが、人間の五感を通じて存在を感じたモノに関する情報を提供したり、あるいは五感に伝える情報を強化したり、といった「現実+α」という方向性は共通している。 ARの概念自体は映画やアニメのほうが先行しており、NHK教育テレビで放映されたアニメ作品「電脳コイル」で使われた「電脳メガネ」は、ARの未来形の1つといえる。かけると周囲のものすべてが怖ろしげに見えるドラえもんの道具「きもだめしメガネ」も、一種のARといえるだろう。 アプローチはいろいろ フィクションの世界では「メガネ」の形態で登場することが多いAR技術だが、現段階では、スマートフォンの力を借りて実装が進められるケースが多い。 例の1つが、公開さ
ブラザー工業は10月20日、網膜に光を当てて映像を映す「網膜走査ディスプレイ」(RID)のモバイル化に成功したと発表した。電源ボックス部分を大幅に小型化した上、電池駆動に対応させた。2010年度の事業化を目指し、開発を続ける。 RIDは、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速に動かすことによる残像効果を利用し、網膜に映像を投影する技術。映像は視覚として認識され、あたかも目の前に映像があるかのよう感じるという。 同社が開発しているRIDは、眼鏡型の接眼モジュール、光源モジュール、光走査モジュールの3つで構成。今回、光源モジュールを大幅に小型化し、光源モジュールを含む電源ボックスの小型化・モバイル化を実現した。 光源モジュールには、フルカラー映像を表示するためにRGB各色のレーザー光源を搭載している。これまで緑色の半導体レーザーが実用化されていなかったため、固体レーザーを採用し
中部電力と熊谷組、信州大学は10月20日、周囲の音声の情報を、透明な無機ELディスプレイに表示する「音メガネ(サウンド・ルーペ)」を共同開発したと発表した。 マイクで拾った周囲の音をノートPCで分析。PCに接続した透明な無機ELディスプレイ上に、音の発生方向や大きさ、高さといった情報を黄色い円で表示し、周囲の風景に重ねて見られる。 2007年に共同開発した、デジタルカメラから取り込んだ画像に音の発生状況を合成して表示する「リアルタイム音カメラ」を応用した。 音カメラは、画像と音声情報をリアルタイムに合成していたためハードのサイズが大きく持ち運びが困難だったが、音メガネなら合成処理の必要がないため比較的小型化でき、持ち運びも可能。音環境調査などでの作業効率や信頼性が高まるとしている。
現在、民生品レベルで実現可能な3D表示技術には、「アナグリフ方式」などいくつかの方式がある(→デジモノ家電を読み解くキーワード:「3D映像」――お茶の間で楽しめる未来の映像)。しかし、3D表示を家庭用薄型テレビで実現するとなると、2D表示兼用が求められるため、専用のレンズを必要とするレンチキュラー方式や、ディスプレイ表面にフィルタを貼り付ける必要があるXpol円偏向方式は馴染まない。 子供用学習雑誌の付録でお馴染みのアナグリフ方式も、低コストで実現可能だが色再現性に問題がある。逆にいえば、通常の2D映像が表示でき、製造コストが低く、かつ色再現性も確かでなければ、家庭で3D映像を普及させることは難しい。 それをうまく両立させた技術が「フレームシーケンシャル方式」。今回のCEATECでは、ソニーやパナソニック、シャープ、東芝など薄型テレビメーカー各社がこぞって3D対応テレビを展示しているが、い
公衆無線LANサービス「WirelessGate」を簡単に接続するためのiPhoneアプリ「WGConnect」にも、PlaceEngineが利用されている。同アプリではGPSとPlaceEngineをハイブリッドに活用し、“ドラゴンレーダー”のような画面で周囲のアクセスポイントが確認できる PlaceEngineは無線LANを搭載したPCやモバイルデバイスに対してサービスを提供しており、GPSが使えない屋内の位置測位で強みを発揮する。無線LANのアクセスポイント(AP)が発するビーコン信号からMACアドレスと電界強度を読み取り、APの位置情報をストックしたデータベースと照合することで、位置を割り出す仕組みだ。位置の推定精度はAPの密集度などにより変化し、公称では5~100メートル。複数のAPから電波を受けられる環境では精度は増すが、逆にAPが1つしかないような場所ではおおざっぱになる。
面白い番組を見つけたとき、リモコンの「d」ボタンを押すと、VoD(ビデオ・オン・デマンド)の画面が起動して過去の放送回を視聴できる。「CEATEC JAPAN 2009」の会場では、そんな便利な「放送通信連携IPTVサービス」の実証実験が行われていた。 IPTVフォーラムのブースでは、NHK、民放各社(フジテレビジョン、TBSテレビ、テレビ朝日、日本テレビ放送網、テレビ東京)、およびWOWOWが実際の放送を模した画面を公開。パナソニックが試作した同サービス対応のBlu-ray Discレコーダーを利用してデモンストレーションを行っている。NHKは5月の「NHK放送技術研究所一般公開」に続く展示となった。また、機器を提供したパナソニックのブースでも同様の展示を見ることができる。 パナソニックブースで参考展示している「放送通信連携IPTVサービス」対応のBlu-ray Discレコーダー(左)
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