【北京=矢板明夫】昨年2月に警察とみられる集団に連行され、その後1年以上も行方不明となっていた中国の著名な元人権派弁護士の高智晟氏(45)が今月6日、北京の自宅に戻り、今後は政府を批判しないと言明したことが分かった。AP通信が8日までに伝えた。同通信に対し高氏は「昔の私は異常だった。かつての人生を捨てなければならない」と今後は人権活動などを行わないこと明らかにした。高氏は2005年に胡錦濤国家主席にあてた「法治の徹底」などを求める公開書簡を発表したことなどを理由に、弁護士資格を剥奪(はくだつ)され、06年12月に「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。昨年2月、訪れた陜西省の親族の家から十数人の男に連れ去られ、行方不明となった。