【ニューデリー=新居益】インド東部一帯で、左翼過激派「インド共産党毛沢東主義派(毛派)」が鉄道や公共施設を襲撃する事件が頻発し、犠牲者の数も急増。危機感を募らせるインド政府は、11月中にも大規模な毛派掃討作戦を開始する構えと報じられている。 ジャルカンド州西シングブムでは19日深夜、線路が爆破され通過中の客車が脱線。印PTI通信によると2人が死亡、55人が負傷した。数時間後には、ジャルカンド州とオリッサ州の州境で武装集団が鉱山に侵入して鉄鉱石輸送施設を爆破する事件も起きた。当局は二つの事件とも毛派の仕業と断定している。 インドのシン首相は10月、毛派は「国内治安上、最大の脅威だ」と述べ強い危機感を表明。地元報道によると、政府は、毛派が拠点とする密林地帯での作戦に備え、内務省精鋭部隊の訓練や空軍の無人偵察機による監視活動を実施している。 毛沢東思想の影響を受け、農民や貧困層救済を掲げて196