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2008年3月14日のブックマーク (32件)

  • これを全部読んでいない人間は「猿」です。 ちなみに猿に人権はありません..

    これを全部読んでいない人間は「猿」です。 ちなみに猿に人権はありません。ネットで表現をする権利も自由もありません。よく覚えておくように。 プラトン『饗宴』岩波文庫 アリストテレス『詩学』岩波文庫 アウグスティヌス『告白』岩波文庫 レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』岩波文庫 マキァベッリ『君主論』中公文庫BIBLO, 岩波文庫 モア『ユートピア』岩波文庫 デカルト『方法序説』岩波文庫 ホッブズ『リヴァイアサン』岩波文庫 パスカル『パンセ』中公文庫 スピノザ『エチカ』岩波文庫 ルソー『社会契約論』岩波文庫 カント『純粋理性批判』岩波文庫 ヘーゲル『精神現象学』平凡社ライブラリー, 作品社 キルケゴール『死に至る病』岩波文庫 マルクス『資論』岩波文庫 ニーチェ『道徳の系譜』岩波文庫 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資主義の精神』岩波文庫 ソシュール『一般言語学

    これを全部読んでいない人間は「猿」です。 ちなみに猿に人権はありません..
    inmymemory
    inmymemory 2008/03/14
    釣るのはいいけど、これをリストアップした本人が全部読んだとは思えない(表記間違い多杉だから)。
  • 読んでいると恥ずかしいゴミ読んでいると (改題前 10代で読んでいないと恥ずかしい必読書)

    inmymemory
    inmymemory 2008/03/14
    絶対的なゴミ本も必読書もない。それぞれに興味の赴くままに出会えた本を自分のものとすれば価値があるものになる。名著や古典的名作だから万人に必須とかベストセラーは屑ばかりというというのは偏向にすぎない
  • 「ペット・サウンズ」/ジム・フジーリ - 空中キャンプ

    ビーチ・ボーイズの最高傑作である「ペット・サウンズ」を題材に書かれたテキスト。著者のジム・フジーリは米小説家で、ほんらいはミステリ小説を書いている方です。とてもおもしろく読めた。ビーチ・ボーイズ*1というバンドのマジックを、きわめて詩的にテキストへと落とし込んでいるあたりにはぐっときました。装丁には「ペット・サウンズ」のジャケットが転用されている。これがちょうおしゃれ! 日語訳は村上春樹がおこなっています*2。 わたしももちろん「ペット・サウンズ」はだいすきなのだが、なにか特別なできごとがあったときにだけ聴こうとおもって、ふだんはなるべく聴かないようにしている。なんというか、もったいなくて聴けないのだ。たとえば、仕事帰りにひとりで牛丼をべて、コンビニでなんとなく雑誌を立ち読みしてから部屋に戻ってくるような日に、「ペット・サウンズ」が聴けるだろうか。なにしろそこには、イノセンスや憧れや生

    「ペット・サウンズ」/ジム・フジーリ - 空中キャンプ
  • Passion For The Future: 本を読む本 モーティマー・J. アドラー C.V. ドーレン、ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 立花隆

    « 「3秒集中」記憶術―番に強くなる、ストレスが消える、創造力がつく | Main | 話し方の技術が面白いほど身につく » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術書評:社会・世間 |書評教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多かった記事とは? 2004年度 人気書評ベスト10 アク

  • Passion For The Future : 私の好きな漫画家たち

    私の好きな漫画家たち スポンサード リンク 私の好きな漫画家たち 特に、最初の3人は私の人生に大きな影響を与えました。(どんな?と聞かれても困りますが)。全作品を所有し絶版をオークションで集めているくらい好きです。 ■1位 諸星大二郎 諸星作品は無論全作品を所有しています。先日の新作発表の際には、サイン会にもでかけてサインを頂いてきました。オフィスに飾って拝んでいます。天才。神。私が評論するなどおこがましいのですが、先生は鎮守の森の奥に棲むもののオドロオドロしさを描かせたら古今東西かなうものがいません。(水木しげるがいるって?レベルが違います)。特にここに挙げた作品は各10回は再読しています。 諸星先生、今年生まれた息子には、諸星先生と星野先生絡みの名前をつけてしまいました。私の夢は会社を成功させ億万長者になって、諸星先生の著書専門の出版社を起こすことです。 ・海竜祭の夜 ・天孫降臨 ・黄

  • Passion For The Future: 悪霊 高寺彰彦

    悪霊 スポンサード リンク ・悪霊 久々に大ヒットな漫画を読んだ。(ぜんぜん新作じゃないけど。) 「この島では祭りの宵に出歩いてはいけない。濃密な「気」に満ち満ちたこの島では…。わだつみから来るもの、屋敷に住まうものが宵を占める。幻のホラー・コミックが、遂に蘇る。「リング0」脚家、高橋洋特別解説収録。」 高寺彰彦は、大友克洋の元アシスタントだったということで、絵柄は似ている。天が落ちて地が揺らぐような、大友作品のダイナミックでスピーディな迫力は、この「悪霊」でも発揮された。 言い伝えのある島に人々が集まってくるという初期設定は、ゲーム「かまいたちの夜2」を連想させる。」。あれが良かった人はこれもよいはず、である。抑制されたホラーが少しずつ、壮大なスペクタクルへと発展していく。 古今東西のさまざまなホラー要素が各所で使われている。元ネタはあれかなと考えながら読むのも楽しかった。たとえば増築

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    inmymemory 2008/03/14
    幻のホラー・コミック
  • Passion For The Future: 神聖喜劇 大西巨人, のぞゑのぶひさ, 岩田和博

    神聖喜劇 スポンサード リンク ・神聖喜劇 (第1巻) 超弩級の絶対的な傑作。大西巨人の小説「神聖喜劇」の完全漫画化。こんな物凄い作品があるとこれまで知らなかったのが不覚であった。全6巻を夏休みに読破。読者を選ぶ作品だが、以下の概要で興味のある人にはおすすめである。 「一九四二年一月、対馬要塞の重砲兵聯隊に補充兵役入隊兵百余名が到着した。陸軍二等兵・東堂太郎もその中の一人。「世界は真剣に生きるに値しない」と思い定める虚無主義者である。厳寒の屯営内で、内務班長・大前田軍曹らによる過酷な“新兵教育”が始まる。そして、超人的な記憶力を駆使した東堂二等兵の壮大な闘いも開始された」(原作の紹介より) 東堂太郎は一度読んだら忘れない驚異的な記憶力の持ち主であった。軍隊の規則書を丸暗記している彼は、不条理な軍隊生活や上官たちの言動に疑問を持つ。そしてその矛盾を言葉で訴え始めることから生じる個人と組織の闘

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    inmymemory 2008/03/14
    超弩級の絶対的な傑作。大西巨人の小説「神聖喜劇」の完全漫画化
  • Passion For The Future: 思索の淵にて―詩と哲学のデュオ 茨木のり子 長谷川宏

    « ネットの画像を検索してスクリーンセーバーに表示する JPEGセーバー.net | Main | 通勤電車で寝てはいけない!―通勤電車と成功の不思議な法則 » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術書評:社会・世間 |書評教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多かった記事とは? 200

  • Passion For The Future: SFベスト201 伊藤典夫

    SFベスト201 スポンサード リンク ・SFベスト201 SF小説は好きで学生時代から読んできたが、この書評されている201冊のうち、読んだことがあったのは50冊程度。この分野で有名な書評者らが、作家の位置づけや作品の魅力を的確にレビューしており、たくさんの発掘があった。グレッグ・イーガンと出会ってからは、イーガン一辺倒になってしまい、いかんなあと思っていたので、これから次々に読んで幅を広げてみようと思う。 さて、この201冊の中で、私が既に読んだ作品の中から、ベスト3を作成してみた。書評を使って、メタ書評である。これらを読んだのは15年くらい前なので詳細は忘れているが、興奮と感動の大きさだけは覚えている。 ・星を継ぐもの 「月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかな

  • Passion For The Future: 昨年度マイベストSF 大作は「万物理論」グレッグ・イーガン、中短編は「あなたの人生の物語」テッド・チャン

    « 2005年あけましておめでとうございます:マルコフ先生に聞く今年のトレンド | Main | 1歳5ヶ月の息子が選ぶ2004年 ベスト絵 » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術書評:社会・世間 |書評教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多かった記事とは? 2004年度 人気書

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    inmymemory 2008/03/14
    究極のハードSF
  • Passion For The Future: ひとりっ子 グレッグ・イーガン

    ひとりっ子 スポンサード リンク ・ひとりっ子 現代SF最高の書き手グレッグ・イーガンの最新刊。順列都市、宇宙焼失、万物理論、ディアスポラ、などイーガンの大作は圧倒的である。読む側にもそれなりの読みとおす決意と読書時間の確保が必要である。邦訳はなかなか出ないので、出るともったいなくて、おいそれとは読めないというファン心理もあったりする。 この短編集はそういう意味では、大作の合間の小さな仕事をまとめたものという風で読みやすい。収録作品に目新しい設定というのは特にない。脳のソフトウェア化というイーガンお得意のテーマが繰り返し出てくる。 人間は機械なのか。現代科学の主流は人間機械論である。どんな機構かは諸説あるにせよ、人間の脳は精巧にできた機械であり、精神活動はその機械の電気化学反応のプロセスということになる。魂は肉体とは別に存在するとは科学者は言わない。脳という機械の複雑度が高いから現在のテク

  • Passion For The Future: 結晶世界 J・G・バラード

  • Passion For The Future: 虚数 スタニスワフ・レム

    虚数 スポンサード リンク ・虚数 「ソラリス」の著者スタニスワフ・レムの短編集。この作家とミラン・クンデラはノーベル文学賞をいつ受賞しておかしくないだろう。なかなか実現しないけれど。 未来に出版されるはずの、架空の書物4冊への序文集と、超越的知性を実現したコンピュータ ゴーレムによる2027年の人類への講義集の2パートからなる。 架空の書物とは、 「ネクロピア」 人間の肉体を透過することで、その存在の意味を浮かび上がらせるレントゲン写真集。 「エルンティク」 知性を持つバクテリアを培養した生物学者の研究記録。 「ビット文学の歴史」 コンピュータが生み出す文学のめくるめく世界。 「ヴェストランド・エクステロペディア」 未来予測コンピュータがアップデートし続ける百科事典。 の4冊。 どれも文はなく、序文だけがある。 存在しない書物と架空の序文を掛け合わせることで、ありえたかもしれない世界観

  • Passion For The Future : 宇宙のランデヴー アーサー・C. クラーク

    宇宙のランデヴー スポンサード リンク ・宇宙のランデヴー この作品の発表は1973年で、私が和訳を文庫で読んだのはもう20年前になる。当時は読み終わったあとしばらく絶句してしまうような衝撃的な体験だったことを覚えている。そしてこのがきっかけでSF小説を読むようになった。私にとって特別なである。 この正月にはじめて読み返してみた。20年はこどもが生まれて成人する時間だから、結末を含めて物語の筋は忘れていた。だから、今回もまた感動してしまった。次は60歳になったら読み返そうと思う。 2130年、太陽系に直径40キロの円筒状の人工物が接近する。近くを航行する軍の宇宙船にその正体を調べる指令がくだされる。この人工物体は宇宙を100万年間もの長旅をした末に、太陽系を通過するのである。古代の神の名をとってそれはラーマと名づけられた。ラーマから人類には何のメッセージも送られてはこない。 ノートン中

  • Passion For The Future: キリンヤガ マイク・レズニック

    « 常駐させておくだけでDVD、CDのプロテクトを解除するDVD43 | Main | ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実 » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術書評:社会・世間 |書評教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多かった記事とは? 2004年度 人気書評

  • Passion For The Future: スターメイカー オラフ・ステープルドン

    スターメイカー スポンサード リンク ・スターメイカー 「 肉体の束縛を離脱した主人公は、時空を超え、太陽系の彼方へと宇宙探索の旅に出る。棘皮人類、共棲人類、植物人類など、奇妙な知性体が棲息する惑星世界。銀河帝国と惑星間戦争、生命の進化と諸文明の興亡。そこでは星々もまた、独自の生を営む生命体であった。そして、銀河という銀河が死滅する終末の時がやって来る。星々の精神と共棲体を築いた主人公は、至高の創造主「スターメイカー」を求めて旅立つが…。宇宙の発生から滅亡までを、壮大なスケールと驚くべきイマジネーションで描いた幻想の宇宙誌。そのあまりに冷たく美しいヴィジョンゆえに「耐えがたいほど壮麗な作品」(B・W・オールディス)と評された名作。 」(アマゾンのデータベースから引用) 普通の人間の想像力では大風呂敷を広げるにも限度がある。思いつく限りのスケールの大きな話をしてみろと言われても、人類の歴史

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    inmymemory 2008/03/14
    そのあまりに冷たく美しいヴィジョンゆえに「耐えがたいほど壮麗な作品」(B・W・オールディス)と評された名作。フリーマン・ダイソン、ボルヘス、クラーク、バクスターらの絶賛の言葉は今も活きている
  • Passion For The Future: タウ・ゼロ ポール・アンダースン

    タウ・ゼロ スポンサード リンク ・タウ・ゼロ 「 【星雲賞受賞作】 32光年彼方の乙女座ベータ星めざし、50人の男女を乗せて飛びたった恒星船〈レオノーラ・クリスティーネ号〉。だが不測の事態が勃発した。宇宙船は生れたばかりの小星雲と衝突し、バサード・エンジンが減速できなくなったのだ。亜光速の船を止めることもできず、彼らは大宇宙を飛び続けるしかないのか? ハードSFの金字塔。 」 SFはサイエンスとフィクションのバランスが肝だと思う。科学的であることにこだわりすぎて難解になると、物語性が失われる。物語性を追求すると、科学性がぼやけてしまう。ふたつの要素はトレードオフの関係にあるのだと思う。この作品は、両方を絶妙なバランスで均衡させた名作だと思った。 無限に広がる宇宙。永遠に続く時間。そして光速に近い宇宙船が遭遇する時間と空間の不思議。この作品は、宇宙の果てに思いをはせた子供時代の好奇心を呼び

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    inmymemory 2008/03/14
    ハードSFの金字塔
  • Passion For The Future: 老ヴォールの惑星 小川一水

    老ヴォールの惑星 スポンサード リンク ・老ヴォールの惑星 「偵察機の墜落により、おれは惑星パラーザの海に着水した。だが、救援要請は徒労に終わる。陸地を持たず、夜が訪れない表面積8億平方キロの海原で、自らの位置を特定する術はなかったのだ―通信機の対話だけを頼りに、無人の海を生き抜いた男の生涯「漂った男」、ホット・ジュピターに暮らす特異な知性体の生態を描き、SFマガジン読者賞を受賞した表題作ほか、環境と主体の相克を描破した4篇を収録。著者初の作品集。 」 表題作は「SFが読みたい!」誌の2006年版 年間ベストSF 国内編で、堂々第1位の作品。その他に3つの短編が収録されている。4作ともひたすら素晴らしいハードSFSF好きでまだ読んでいなければ絶対のおすすめ。 読後感はテッド・チャンの短編集「あなたの人生の物語」と似ている。どちらも現代SF最高レベルの出来だが、あちらが「神の不在」がテーマ

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    inmymemory 2008/03/14
    「SFが読みたい!」2006年版 年間ベストSF国内編1位
  • Passion For The Future: アミ 小さな宇宙人 エンリケ・バリオス

    アミ 小さな宇宙人 スポンサード リンク ・アミ 小さな宇宙人 小学生でも読めるようにふりがなが振られている。 まえがきに、このは子供向けのおとぎ話であると断りがあって、おとな向けの注意書きまでついている。 こんな風だ。 「読み続けないように!きっとおもしろくないでしょう。ここに書いてあるのは、すばらしいことばかりだから。」 作者エンリケ・バリオスはチリ人女性。友人の名もない小さな出版社から86年に出版され、またたくまにベストセラーになり11カ国語に翻訳され、続編を含めて世界中で売れている。 少年ペドゥリートとアミと名乗る宇宙人とのコンタクト体験。宇宙をめぐる旅の中でペドゥリートは、地球がいまだ野蛮な、愛の度数の低い未開の惑星であることを教わるという内容。 こうあらすじを書くと、安直な博愛主義と共産思想の啓蒙書みたいであるし、そうした要素の完全否定もできないが、よほど根性を入れて構えて読

  • Passion For The Future: パイの物語 ヤン・マーテル

    パイの物語 スポンサード リンク ・パイの物語 2002年度ブッカー賞受賞作。 「1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘しかない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちをつれカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後足を骨折したシマウマ、オラウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ命の舟。残されたのはわずかな非常と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。生き残るのは誰か?そして待つ衝撃のラストシーン!!文学史上類を見ない出色の冒険小説。」 まさに世界文学と言えそうな傑作だった。 私達はなんらかの神や、なんらかの物語を信じる。少年は漂流する

  • Passion For The Future: 奴婢訓 スウィフト

    奴婢訓 スポンサード リンク ・奴婢訓 ガリバー旅行記で知られる18世紀の作家スウィフトが書いた風刺文学の古典。2006年にリクエスト復刊。岩波文庫。 召使、料理人、従僕、小間使い、女中など「使用人」のための処世訓。 「ご主人の呼んだ当人がその場に居ない時は誰も返事などせぬこと。お代りを勤めたりしていてはきりがない。呼ばれた当人が呼ばれた時に来ればそれで十分と御主人自身認めている。あやまちをしたら、仏頂面で横柄にかまえ、自分の方こそ被害者だという態度を見せてやる。怒ってる主人の方から、直きに、折れて来る。」 「買い出しの時は肉を出来るだけ安く値切って買う。勘定書を奥へ出す時には、主人の名誉を傷つけぬよう、最高値段を書いておく。」 「大きなお邸の奥方附だったら、その奥様の半分も美しくなくても、おそらく旦那様から可愛がってもらえる。この場合、気をつけて絞れるだけは絞り取ること。どんな一寸したい

  • Passion For The Future: 雷の季節の終わりに 恒川光太郎

    雷の季節の終わりに スポンサード リンク ・雷の季節の終わりに やってしまった。 電車乗り過ごしである。 終電だったので3つ先の駅からタクシーで帰るはめになった。 寝過ごしたわけではない。年に一回あるかどうかのに熱中しての読み過ごし。 すべてはこののせいだ。 デビュー作「夜市」で見せた才能の片鱗が、この初長編でさらに開花している。恒川 光太郎の作品は今後全部買う作家リストに入れることにした。代替不可能な魅力がある。 「異世界の小さな町、穏(おん)で暮らす少年・賢也。「風わいわい」という物の怪に取り憑かれている彼は、ある秘密を知ってしまったために町を追われる羽目になる。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは-?」 Web2.0はWebのあちら側とこちら側の話だが、これは世界2.0、こちら側世界とあちら側の異界の話である。それは天上にあるわけでも、地の底にあるわけでもなく、隠れ

  • Passion For The Future: 安徳天皇漂海記 宇月原晴明

    安徳天皇漂海記 スポンサード リンク ・安徳天皇漂海記 これは凄い小説だ。第19回(年度)山周五郎賞受賞作品。 「二位殿やがていだき奉り、「浪のしたにも都のさぶらふぞ」となぐさめたてまつって、千尋の底へぞ入給ふ」(平家物語)。1185年、壇ノ浦の戦いで敗北が確実になった平家軍の船の上から、祖母の平時子に抱かれて、8歳の安徳天皇は三種の神器とともに、海に身を投げて崩御した。 平家の滅亡から二十年の歳月が流れて、源頼朝の息子で12歳の少年、源実朝は鎌倉幕府の第三代征夷大将軍に就任していた。この物語は、安徳天皇と源実朝の二人の少年を軸にしてすすんでいく歴史ファンタジーである。第二部のマルコポーロ編では、物語は海を越え、元帝国クビライ・カーンをも巻き込んだ世界スケールへと発展していく。 諸星大二郎的な、日神話ベースのおどろおどろしいイメージが好きな人にはたまらない作品である。歴史の波を漂う安

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    inmymemory 2008/03/14
    深く味わうには、古事記と平家物語が予備知識としてあったほうがよいが、原典を読むのが面倒であれば、諸星大二郎の漫画「海竜祭の夜」がおすすめ。祟る神としての安徳天皇がでている。
  • Passion For The Future: ツ・イ・ラ・ク 姫野カオルコ

    « ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 アハ体験! | Main | 百式 - JOB BOARDに求人してみた » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術書評:社会・世間 |書評教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多かった記事とは? 2004年度 人気書

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    inmymemory 2008/03/14
    ダカーポ「眠れないほど面白い本」特集号で恋愛小説第1位
  • Passion For The Future: 真鶴 川上弘美

    真鶴 スポンサード リンク ・真鶴 「歩いていると、ついてくるものがあった。 まだ遠いので、女なのか、男なのか、わからない。どちらでもいい。かまわず歩きつづけた。」 この最初の一行にぞくっとして、これはひきこまれてしまうぞと確信した。なかなか書けない見事な書き出しであって、トンネルを抜けるとそこは雪国だった、級である。ついてくるものは憑いてくるものであるという、そういう異界ものの話である。すうっと異界にひきこまれて2時間半で読み終わり、無事、こちらがわへ戻ってくることができた。 句読点で短文を区切り、会話も内面も続けてことばを置いていく実験的な文体は、主人公と当はそこにいないものの間を地続きにする。ひら仮名の短いことばは、この世にやってきたばかりの、子供のことばであり、常世のことばに近いのかもしれない。 「真鶴、はじめて。百が笑う。わたしも、こないだが、はじめて。一緒に笑う。岬の突端で突

  • Passion For The Future: 告白 町田康

    告白 スポンサード リンク ・告白 あまりに面白すぎて危険なため、盆暮れ正月連休中に読むことをおすすめします。 明治時代に起きた、実際の大量殺人事件「河内十人斬り」。幼子まで含めて10人を惨殺する残虐事件でありながら、熊太郎・弥五郎の復讐劇は、盆踊り「河内音頭」のテーマとして歌い継がれてきた。 この小説「告白」は、ひとづきあいが苦手で、性根が駄目人間の城戸熊太郎が、なぜ村人を恨み大殺戮に至ったのかを、生い立ちから綴った独白である。 「 安政四年、河内国石川郡赤阪村字水分の百姓城戸平次の長男として出生した熊太郎は気弱で鈍くさい子供であったが長ずるにつれて手のつけられない乱暴者となり、明治二十年、三十歳を過ぎる頃には、飲酒、賭博、婦女に身を持ち崩す、完全な無頼者と成り果てていた。 父母の寵愛を一身に享けて育ちながらなんでそんなことになってしまったのか。 あかんではないか。 」 こんな出だしで始

  • Passion For The Future: 高熱隧道 吉村昭

    高熱隧道 スポンサード リンク ・高熱隧道 昭和42年に出版された吉村昭の傑作。 昭和11年から15年にかけて行われた黒部ダム第三発電所の難工事を、綿密な取材と調査で再現したドキュメンタリ小説。建設予定地は地元民でも近づかない険しい山奥であることに加えて、温泉湧出地帯で岩盤温度は165度にも達する。その超高熱の地下にダイナマイトを持った人間が入っていってトンネルを掘る。過酷な作業環境に加えて、厳しい大自然の脅威が彼らを襲う。 当然、日常的に人が死ぬ。 つぎつぎに300人の犠牲者をだしながらも、国策の名のもとに大工事は強行されていく。そんな状況のなか、悲壮な覚悟で工事完遂を目指した技師たちの視点で物語は語られる。プロジェクトの前に立ちふさがる技術的な難問を創意工夫と協力で、幾度も乗り越えていく様子は男のロマン、プロジェクトXのよう。 その一方で技師たちの判断を信じて、悲惨な死に方をした労働者

  • Passion For The Future: よもつひらさか 今邑彩

    よもつひらさか スポンサード リンク ・よもつひらさか 短編ホラー集。怖いというより、不思議な話が多い。 ふたつの意味で粒ぞろい。まず尺の長さが粒ぞろい。編は約370ページで12編だから、一作あたり約30ページである。1時間に2か3読めるこのボリュームは、通勤時間や休み時間にちょっと読むのに最適だった。そして、各作品の完成度も高レベルで粒ぞろい。一編を読むともう次も読みたくなる。はずれがなかった。 主題は幅広い。幽霊、ドッペルゲンガー、のろいなどのオーソドックスなオカルトものから、猟奇犯罪やネットストーカーまでバリエーションがある。個人的には最後に収録された表題作の「よもつひらさか」が好きである。現世と黄泉の国の境界にあると言われる坂に迷い込んだ男の話。諸星大二郎の漫画好きには特におすすめ。 黄泉比良坂は神話上の場所であるが、島根県東出雲町にある伊賦夜坂がそれであると比定されており、

  • Passion For The Future: アサッテの人 諏訪哲史

    アサッテの人 スポンサード リンク ・アサッテの人 第137回芥川賞受賞、第50回群像新人文学賞のW受賞作。整理されていない文章に首をかしげながら読み進めると、後半で、すべては計算済みの作者の作戦だったとわかるインテリ文学。 この物語の主人公である「叔父さん」はときどき、今日の世界とは断絶した「アサッテ」の世界に生きている。日常会話の中で唐突に「ポンパ」「チリパッパ」「ホエミャウ」と意味不明の、人にしかわからない言葉を挿入して周りを驚かす。 叔父の残した日記にその経緯を読み解いていくのがこの小説の筋である。「世界から疎外されている」という意識と「世界に囚われている」という意識はだれしもが持つものだと思うが、その矛盾を突き詰めると逃げ場がなくなる。アサッテにとりつかれた叔父は、より純粋なアサッテを追い求めて、壊れていく。 現実と断絶したアサッテというのは狂気の入口であると同時にクリエイティ

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    inmymemory 2008/03/14
    整理されていない文章に首をかしげながら読み進めると、後半で、すべては計算済みの作者の作戦だったとわかるインテリ文学
  • Passion For The Future: 赤朽葉家の伝説 桜庭一樹

    赤朽葉家の伝説 スポンサード リンク ・赤朽葉家の伝説 これは傑作。素晴らしい。桜庭一樹という作家をベタ褒めしたい。 「“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。」 1953年から現在まで、それぞれの時代を生きた3人の女性の物語が、3部構成の回想形式で語られる。各世代の生きざまは、日の時代状況を色濃く映し出す。 第一部 1953年~1975年 赤朽葉万葉 第二部 1979年~1998年 赤朽葉毛毬

  • Passion For The Future : 閉鎖病棟 帚木蓬生

    閉鎖病棟 スポンサード リンク ・閉鎖病棟 最近、過去の傑作小説の発掘に凝っている。これは10年前発表の作品。「閉鎖病棟」とは重い症状の精神病患者のための病棟のこと。 「とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは―。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山周五郎賞受賞作」 殺人や自殺未遂など、暗い過去を持つ登場人物たちが、閉鎖された空間の中で展開する人間再生ドラマ。心を病むに至った患者たちの苦悩の半生はそれぞれ印象深い物語であり、登場人物たちのキャラクターに感情移入しやすくなる。そして静かな病院生活の中で起きた小さな波紋が、次第に緊張感を高めて、

  • Passion For The Future: 悪人 吉田修一

    悪人 スポンサード リンク ・悪人 「なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。」 ある殺人事件をめぐる加害者、被害者の群像劇。傑作長編。 まったく内容は違うのだが、町田康の傑作犯罪小説「告白」と読後感が似ている。「悪人」は朝日、「告白」は読売で、共に新聞連載小説だったからかもしれない。テンポが似ているのだ。数ページごとに拍子があるような。そのリズム感がちょっとずつ加速していく感じ。長編であることが読んでいて嬉しくなってしまう。 ・告白 http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004743

    inmymemory
    inmymemory 2008/03/14
    2007年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005215.html