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ブックマーク / mainichi.jp (41)

  • 今週の本棚・この人この3冊:パトリシア・ハイスミス=小林信彦・選 - 毎日jp(毎日新聞)

    <1>太陽がいっぱい(ハイスミス著/現在手に入るのは、佐宗鈴夫訳/河出文庫/903円) <2>見知らぬ乗客(ハイスミス著、青田勝訳/角川文庫/820円) <3>孤独の街角(ハイスミス著、榊優子訳/扶桑社ミステリー/品切れ) パトリシア・ハイスミスの翻訳を出せ、と私がしつこく書いたのは二十年ほど前か。 そのせいではなく、ある作品が日でその年の人気一位になったので、一時的に人気が上り、ほぼ全作品が、角川文庫、河出文庫、扶桑社ミステリーと三つの文庫でならび、単行も出た。 日でハイスミス女史が有名なのは、ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」の原作者としてであり、アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレの美男美女が複雑にからむストーリーとラストの衝撃で一九六〇年度の話題をさらった。 アンリ・ドカエの撮影もすごかったが、魚市場のシーンで流れるニーノ・ロータの音楽がすばらしく、パトリシア

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    inmymemory 2012/01/30
    “ヒッチコックが「見知らぬ乗客」映画化に際してのストーリー改変は「太陽がいっぱい」よりも激しく、クライマックスはエドマンド・クリスピン『消えた玩具屋』の<回転木馬の暴走>にヒントを得たのではないか”
  • 芥川・直木賞:芥川賞、朝吹さん初の候補 直木賞は貴志さんら5人 - 毎日jp(毎日新聞)

    文学振興会は4日、第144回芥川・直木賞の候補作を発表した。ノミネートされた作家は各5人。選考会は17日午後5時から東京都内で行われる。 芥川賞では、デビュー作で10年のドゥマゴ文学賞を獲得した朝吹真理子さん、比較文学者としても知られる小谷野敦さんが初めて候補になった。4回目の田中慎弥さんは川端康成文学賞と三島由紀夫賞、3回目の西村賢太さんは野間文芸新人賞を受賞している。 直木賞の初候補は3人で、そのうち木内昇(のぼり)さんは女性。貴志祐介さんは今回の候補作で、昨年創設された山田風太郎賞を獲得。5回連続の道尾秀介さんと4回目の荻原浩さんは山周五郎賞を受賞している。【内藤麻里子、棚部秀行】 ============== 年齢 候補作               候補回数 <芥川賞> 朝吹真理子 26 「きことわ」  (新潮9月号)   初 小谷野敦  48 「母子寮前」  (文学界9月

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    inmymemory 2011/01/06
    該当作品は未読だが、朝吹真理子、小谷野敦、田中慎弥の3人のいずれかが芥川賞受賞なら、文句なしで嬉しい。
  • 朝吹真理子さん:デビュー小説『流跡』がドゥマゴ文学賞 みずみずしい言葉の連鎖 - 毎日jp(毎日新聞)

    ◇「大切な作品になって」 朝吹真理子さんのデビュー小説『流跡』(1365円、新潮社)が、先鋭的な作品に贈られるドゥマゴ文学賞に選ばれた。25歳での受賞は最年少。豊かなイメージを喚起する言葉の連鎖がみずみずしい。朝吹さんは「『あなた』という読み手に向かって書き上げた作品です」と語る。 川で舟を操る船頭や、子供の言葉の発達が遅れていることに悩む父親が登場する。流れていく意識が、身体という固体に次々と収まっていくような格好だ。 明瞭な筋立てはない。ただ、水や煙、記憶、時など、その場にとどまらず、常に流れていくモチーフが繰り返される。「自分は流れつつある生体の一つに過ぎない、という気持ちがあるんです」。太古から未来へ続く悠久の時間のなかで、存在する自己を強く意識し、「確かなもの」とは何かを考えさせる。 父親は詩人の朝吹亮二さん。サガンなどの翻訳で知られる故・朝吹登水子さんは大叔母にあたる。祖父は仏

  • 今週の本棚:2009年「この3冊」/上(その1) - 毎日jp(毎日新聞)

  • 今週の本棚:2009年「この3冊」/下(その1) - 毎日jp(毎日新聞)

  • 今週の本棚:2009年「この3冊」/上(その2止) - 毎日jp(毎日新聞)

  • 今週の本棚:2009年「この3冊」/下(その2止) - 毎日jp(毎日新聞)

  • サンデー毎日・今週の1本:『1Q84』バカ売れ 読まずに済ます村上春樹 - 毎日jp(毎日新聞)

  • 質問なるほドリ:パラレルワールドって何?=回答・棚部秀行 - 毎日jp(毎日新聞)

  • 毎日出版文化賞の人々:/上 村上春樹さん - 毎日jp(毎日新聞)

    第63回毎日出版文化賞の受賞作5点が決まった。25日午後3時半から東京都千代田区紀尾井町のグランドプリンスホテル赤坂で贈呈式が開かれる。各部門の受賞者を3回にわたり紹介する。 ◆文学・芸術部門 村上春樹さん--『1Q84』BOOK1・2(新潮社) ◇作品世界追求し続けたい デビューから30年の節目での受賞となった。 「小説は10年、20年、50年たって残っているかどうかという時間の試練が大事です。賞をいただくのは、その第一歩みたいなものだから、とてもありがたいと思います」 『1Q84』は2巻ともに100万部に達し、今年一番の話題作となった。選考でも高い評価を得たが、「これだけ売れて注目されると、風当たりも強い」と話す。ただし、大ベストセラー『ノルウェイの森』(1987年)で、そうした反発も体験済みだ。「免疫ができたというか、耐えられるようになりました」 受賞作には、従来なかった手応えも感じ

  • 記者の目:「考える小説」求める読者たち=重里徹也 - 毎日jp(毎日新聞)

    「出版不況」「読書離れ」などと言われて久しい。しかし、表面的な現象としてはなかなか見えなくても、深いところでは風向きが変わったのではないか。長年、文芸記者をしていて、最近、そんな思いにかられる。 このところ、編集者や大学の先生と話していて話題になるのは、毎日新聞が10月下旬に発表した学校読書調査の結果だ。読書が好きな中学・高校生が70%を超え、8年前より10ポイント以上伸びた。読書の時間を設ける学校が増えたことやケータイ小説のヒットが背景として考えられている。 希望的観測をすれば、実は「読書の時代」が到来しつつあるのではないか。しかも、今年注目された小説を見渡してみると、読者が「考える小説」「思索する主人公」を求めているように思えてくる。 今年の話題を三つ挙げよう。生誕100年の太宰治と松清張の作品が大いに読まれたこと▽村上春樹さんの長編小説「1Q84」の大ヒット▽川上未映子さんや中村文

  • 望遠/広角:『1984年』と『1Q84』 - 毎日jp(毎日新聞)

    村上春樹さんの2巻からなる長編小説『1Q84』が5月下旬に刊行され、既に大ベストセラーになっている。題はジョージ・オーウェルの代表作『1984年』のもじりである。長編は5年ぶり、いわゆる大長編では『海辺のカフカ』以来7年ぶりの新作だったのに加え、この謎めいたタイトルも話題を呼んだ要因だろう。 文句なしに面白い小説、というのが率直な感想だ。2巻で計1000ページを超える長さなのに、まさにを置くあたわざるといった感じで最後まで読者をつかんで離さない。1949年に出たオーウェルの近未来小説の向こうを張った「近過去小説」との触れ込みだが、『1984年』を読んでいなくても何の問題もなく楽しめる。 「青豆」「天吾」という2人の人物をめぐる物語が交互に語られ、並行して展開していく構成になっている。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『海辺のカフカ』でおなじみのパラレルワールドだが、これまで

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    inmymemory 2009/06/19
    評:大井浩一
  • 今週の本棚:沼野充義・評 『1Q84 Book1、2』=村上春樹・著 - 毎日jp(毎日新聞)

    (新潮社・各1890円) ◇精緻に作られたパラレル・ワールド このせわしない世の中、人気作家でさえ何年か新作を出さなかったら、すぐに忘れられてもおかしくない。ところが村上春樹に対する読者の期待は募る一方で、この新作はまだ内容も知られず、きちんと読まれていないうちから驚異的なベストセラーになった。いまや国民的作家となったハルキの、ユニークな位置をよく示す現象ではないか。 しかし、数字が一人歩きすると、ちょっと危なっかしい。統計の大きなだみ声に惑わされることなく、静かに小説を味わいたいと言ったら、へそ曲がりだろうか? 村上春樹の小説は「ハリポタ」やゲームソフトではなく、もっと精緻(せいち)に作られた言語作品なのだから、その静かな言葉の音楽に--そこからは美しい和音ばかりではなく、不協和音やミスタッチも時には聞こえてくるが--耳を傾けたいものだ。 とはいえ、ここにはじつに様々な要素が盛り込まれて

  • 知りたい!:村上春樹さん「1Q84」1週間で96万部 大当たり極秘戦略 - 毎日jp(毎日新聞)

    村上春樹さんの最新長編小説「1Q84(いちきゅうはちよん)」(新潮社)が爆発的に売れている。5月29日の発売からわずか1週間で第1巻51万部、第2巻45万部の計96万部(6月4日現在)まで増刷。にもかかわらず、第1巻が品切れとなった書店も続出している。出版不況が叫ばれる中、いったいなぜ? その理由を探った。【棚部秀行、高橋咲子】 東京都千代田区の三省堂書店・神保町店。売り場には第2巻だけが平積みになっていた。西東京市の団体役員、星川安之さん(51)は既に第1巻を購入。「村上作品は家族や事、好きな映画のように生きていく楽しみの一つ。生きているって面白いと思わせてくれる。久しぶりの長編だが、根底にあるものは変わっていない」と第2巻を手に取った。 「話題になっているから来てみた」という茨城県つくば市の大学教員、緒方章宏さん(68)は「先週は両巻ともあったのに」と、第2巻を購入し第1巻を予約し

  • 今週の本棚:湯川豊・評 『火を熾す』=ジャック・ロンドン著 - 毎日jp(毎日新聞)

  • 太宰治:生誕百年「生まれて墨ませんべい」「走れメロンパン」 地元青森で発売 - 毎日jp(毎日新聞)

    青森県出身の作家、太宰治にちなんだ菓子「生まれて墨ませんべい」(八戸屋=上)と「走れメロンパン」(吉田ベーカリー) 来年生誕100周年を迎える文豪・太宰治の出身地・青森県では、作品にちなんだ「生まれて墨ませんべい」と「走れメロンパン」が発売され、人気を集めている。 両商品は、熱烈な太宰ファンというむつ市の印刷会社専務、杉山克也さんが、菓子店「八戸屋」とパン屋「吉田ベーカリー」に持ちかけて開発した。 メロンパンは、「吉田ベーカリー」で40年以上販売されている人気商品「アンバター」の中身をメロンパン生地で包んだもので、太宰治が短編「晩年」に引用した仏詩人ヴェルレーヌの詩句をアレンジし、「撰ばれてあることの恍惚(バター)と、不安(あん)と2つわれにあり」というコピーをパッケージに印刷、1個180円で販売している。同店では「1カ月で約1000個売れた。普通のメロンパンより売れ行きがいい」としている

    inmymemory
    inmymemory 2009/03/21
    "太宰治が短編「晩年」に引用した仏詩人ヴェルレーヌの詩句をアレンジし、「撰ばれてあることの恍惚(バター)と、不安(あん)と2つわれにあり」というコピーをパッケージに印刷"
  • 村上春樹さん:作家の強い倫理性示す 「死者への祈り」も背景に 「エルサレム賞」授賞式・記念講演 - 毎日jp(毎日新聞)

    ■解説 ◇作家の強い倫理性示す 「死者への祈り」も背景に 村上春樹さんのエルサレム賞受賞講演が反響を呼んだのは、イスラエル軍のガザ攻撃への批判に言及したことによる。しかし、講演にはもっと深いメッセージが込められていたと思う。 何度か村上さんを取材した経験から、講演を聞いてまず浮かんだのは「小説家の社会的責任」だった。寡黙なイメージからは意外に思われるかもしれないが、この作家は社会的な責任感が非常に強い。それは倫理的といってもいいほどだ。 全共闘世代に属する村上さんは、作家活動の初期のころから、大学紛争時の経験を自らどう総括すべきかという問題意識を語ってきた。1984年に雑誌インタビューで、「70年に、それなりに闘ったことの落とし前は、つけなくちゃいけない」と述べたこともある。全共闘体験は、今回の講演の言葉でいえば「巧妙なうそ」「作り話」である寓話(ぐうわ)の形で、村上作品の中に投影されてき

  • 村上春樹さん:人間の尊厳を訴える 聴衆に問題の見つめ直し求め 「エルサレム賞」授賞式・記念講演 - 毎日jp(毎日新聞)

    ■解説 ◇人間の尊厳を訴える 聴衆に問題の見つめ直し求め エルサレムの国際会議場で行われた村上春樹さんの記念講演には、地元のファンら約700人が詰め掛けた。村上さんの著書は『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』など11作品がヘブライ語に翻訳されており、イスラエルでも特に人気の高い外国人作家の一人だ。村上さんは時折、笑いを誘いながら、控えめな口調でメッセージを伝えた。 冒頭、村上さんが小説家と政治家、外交官らの使う「うそ」の違いを説明すると、会場がどっと沸いた。最前列にはノーベル平和賞受賞者のペレス・イスラエル大統領と、地元エルサレムのバラカト市長が並んでいた。和やかな雰囲気が広がった。 それが、村上さんの「(きょうは)真実をお話ししましょう」という言葉を機に、場内は静まり返った。身構えた、と言う方が正確かもしれない。イスラエル軍のガザ攻撃により、日国内で受賞拒否を求める声が挙がったことは、イ

  • 村上春樹さん:イスラエルの文学賞「エルサレム賞」授賞式・記念講演全文 - 毎日jp(毎日新聞)

    作家の村上春樹さんが2月15日、イスラエルの文学賞「エルサレム賞」の授賞式で行った記念講演が大きな反響を呼んでいる。体制を「壁」、個人を「卵」に例え、「私はいつも卵の側に立つ」と、作家としての姿勢を語った内容だ。イスラエル軍の攻撃によってパレスチナ自治区ガザ地区で1000人以上が死亡した直後だけに、受賞拒否を求める声も挙がったが、村上さんは「語らないよりは語ること」を選択した、と出席を決めた理由を明言した。そこで、村上さんが英語で行った講演の録音を文章にし、全文を2回に分けて掲載する。(翻訳は学芸部・佐藤由紀) ◇小説家は、隠れている真実をおびき出してしっぽをつかみます ◇壁が正しく、卵が間違っていても、私は卵の側に立ちます こんばんは。私は日、小説家として、長々とうそを語る専門家としてエルサレムに来ました(聴衆から笑い)。 もちろん、うそをつくのは小説家だけではありません。ご存じのよう

  • 重大ニュース参考記事:村上春樹氏インタビュー 僕にとっての<世界文学>そして<世界>(08年5月12日) - 毎日jp(毎日新聞)

    作家、村上春樹さんがこのほど毎日新聞の単独インタビューに応じた。『海辺のカフカ』(02年)以来となる大長編小説を執筆中という村上さん。多忙な時間を割いて、最近翻訳した名作への思いから出版界の古典新訳ブーム、「9・11」後の時代認識に至るまで幅広く、熱く語った。【構成・大井浩一】 ◇物語の骨格、文章のリズム 名作4作の翻訳通じ学ぶ ■翻訳の限度は50年 村上さんは創作と並行してアメリカ文学の翻訳、紹介に積極的に取り組んできた。そうした中で、「これだけはやりたいと思っていた」重要な作品が、サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』、チャンドラー『ロング・グッドバイ』(以下では『L・G』)、カポーティ『ティファニーで朝を』の四つの長編小説。これらを03年から今年にかけて次々に新訳・刊行した。いずれも各作家の代表作というだけでなく、高校時代以来、何度