★★★★ 岩波新書 / 2007.10 ISBN 978-4004310952 【Amazon】 著者が様々な本から収拾した文章についての書き抜き。それらの引用をもとに、文章を書くための手立てを探っていく。基本から文章修業まで全38章。 著者は1930年生まれの元新聞記者。本書は『文章の書き方』【Amazon】の姉妹編で、技術論よりも精神論に重きを置いている。 感性を磨く・毎日書く・とにかく削るなど、多種多様な方策が載っているけれど、結局は序文にある「文は心なり」に尽きるのだろう。著者は文章の核心について次のように述べている。 (……)いい文章のいちばんの条件は、これをこそ伝えたいという書き手の心の、静かな炎のようなものだということです。大切なのは、書きたいこと、伝えたいことをはっきりと心でつかむことです。そのとき、静かな炎は、必要な言葉を次々にあなたに贈ってくれるでしょう。(p.ii)