全国86の国立大学法人が2020年3月末までの3年間に懲戒処分した教職員延べ305人のうち、27・8%にあたる85人の処分を非公表にしていたことが毎日新聞の取材で判明した。法人側は関係者らのプライバシー保護や不祥事の程度が軽いことなどを非公表の理由に挙げたが、下着泥棒や酒気帯び運転といった法令違反のケースも含まれていた。懲戒事案の公表に携わった経験があり、大学統治に詳しい吉武博通・筑波大名誉教授(経営学)は「非公表の事案が多すぎる。公表は、外部の目を通じて組織を健全化するという意義があり、事例共有で再発防止にもなる。非公表は例外と考えるべきだ」と指摘する。【畠山哲郎、宮崎隆】 懲戒処分数や非公表の実態は、86(20年3月末現在)ある全ての国立大学法人に対する情報公開請求とそれに基づく取材で明らかになった。退職者の在職時の行為について処分したケースもあり、305人の中には処分時に退職していた