10月27日早朝、李克強・前国務院総理の訃報が流れた。最初それを聞いたとき、誰もが耳を疑ったことだろう。何しろ、今年3月に10年の総理の職務を終え、引退したばかりだったからだ。また、亡くなるつい1カ月ほど前に敦煌に姿を表し、それも一部で話題になっていたからだ。 もう一つ、人々を驚かせたのは、その情報の公開の速さだ。報道されている情報によると、李は26日に心臓発作を起こして病院に担ぎ込まれ、27日未明に亡くなったという。 中国では国家指導者の死は一般にすぐには発表されず、周囲や医療関係者、あるいは中南海(中国指導者らが暮らす地域)の動きから漏れ伝わり、夜7時の全国ニュース放送で発表されるというのがお決まりだからだ。だから、それまでにちょっとでも高官死亡の情報、あるいは噂の片鱗を掴んだ海外メディアがすっぱ抜きを狙ってさまざまな取材を繰り返すのが常となっている。 だが、李克強の死は夜が明けた、現