大学図書館におけるデジタル人文学の進展を阻むもの(米国) 米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校でデジタル人文学の教育と研究に携わるポスナー(Miriam Posner)氏のブログ記事が,この夏,一つの波紋を呼んだ。それは,2012年8月10日に投稿された「図書館におけるデジタル人文学の実践の障害は何か?」というもので,特に大学図書館におけるデジタル人文学研究の進展に「障害」となっている事項を列挙したものである。 デジタル人文学は,米英等を中心に近年拡大している研究領域である。米国等では,大学図書館にデジタル人文学の研究部門が設置されたり,大学図書館員と教員との共同でデジタル人文学プロジェクトが進められたりしているなど,大学図書館界とも関わりが深い。 このような状況に対しポスナー氏は,図書館業務に直接関係しないデジタル人文学関連の研修に図書館員の参加が許されていないこと,成果が未知数のデジ