千葉大学は、福井大学の教授が学術誌に投稿した5本の論文について、「査読」と呼ばれる第三者のチェックを引き受けた千葉大学の教授が、福井大学の教授本人にコメントを求め、自分の査読コメントとして出版社側に提出していたとして、「極めて不適切だ」とする調査結果を発表しました。 これは、20日、千葉大学の藤江幸一理事らが記者会見して発表したものです。 それによりますと、千葉大学はことし4月、学術誌の出版社から、千葉大学の教授が福井大学の教授の論文の査読を行った際に「重大な違反」があったと連絡を受けたということです。 また、このあと、告発のメールが寄せられたこともあり、千葉大学では調査委員会を設置し、2人の教授への聞き取りなどの調査を進めました。 その結果、福井大学の教授が投稿した2015年以降の5本の論文について、出版社から査読を引き受けた千葉大学の教授は、福井大学の教授に連絡を取ってコメントを受け取
三重県伊勢市は地元の人や観光客に郷土食として親しまれている「伊勢うどん」について国の無形民俗文化財への登録を目指す事業を始めることになり費用として900万円余を新年度当初予算案に盛り込みました。 「伊勢うどん」は太くてやわらかい麺にたまりしょうゆのタレをかけたもので伊勢神宮の参拝者が古くから手軽に食べていたとされています。 この伊勢うどんについて伊勢市は去年、一部が施行された改正文化財保護法で食文化なども「無形民俗文化財」として登録できるようになったことから新年度、伊勢うどんの「無形民俗文化財」登録を目指す事業を始めることになりました。 ことし4月に調査研究委員会を設置し、江戸時代の「おかげ参り」の様子を記録した文献を調べたり、伊勢うどんを提供する市内の店舗を調査したりするなど文化財としての価値を調べるということで、その費用として新年度の当初予算案に約920万円を盛り込みました。 伊勢市で
生き方に迷う時。自信が持てない時。大きなものに流されてしまいそうになった時。 多くの人の背中を押してきた詩があるのをご存じですか? その詩人のことばは、韓国でも愛され、広がっています。その理由とは? (ソウル支局 ディレクター 長野圭吾) 11月中旬。 韓国の観光名所、ソウルタワーのふもとにある小さな書店で、日本を代表する詩人・茨木のり子の朗読会が行われました。 今年で没後15年となった彼女の詩は、日本で世代を超えて愛されてきました。 実は茨木の詩は、数年前からハングルにも翻訳されるようになっています。 この日も、20代から30代の若者たちが集まり、自分の好きな詩を選んで朗読し、感想を語り合っていました。
小樽商科大学と帯広畜産大学、北見工業大学の3つの国立大学は来年4月、経営する法人を統合すると発表しました。分野を超えて履修できる科目を増やすなど、教育の充実を図るとしています。 小樽商科大学と帯広畜産大学、北見工業大学の3つの国立大学の学長は2日、札幌市内で記者会見を開き、来年4月にそれぞれの大学を経営する法人を統合し、「国立大学法人北海道国立大学機構」を設立すると発表しました。 統合したあとも、それぞれの大学の名前や学部・学科、キャンパスなどは変わらないとした上で、どの大学の学生でも履修できる科目を開講するなど教育の充実を図るとしています。 また、IT技術を活用した酪農の人手不足を解消する研究など、3つの大学の特徴を生かした共同研究にいっそう力を入れるとしています。 一方、北海道国立大学機構のトップとなる理事長については今後、選考会議で審議し、決めることにしています。 帯広畜産大学の奥田
アイドルグループ「NGT48」のメンバーとファンのトラブルをめぐる問題について、筑波大学の教授が論文を書き、大学のホームページで公開したところ、運営会社の抗議を受けて大学に削除されたのは学問の自由の侵害だとして、論文の再掲載を求める訴えを起こしました。 筑波大学の平山朝治教授は18日、東京地方裁判所に訴えを起こし、東京 霞が関で会見を開きました。 訴えによりますと、去年1月にアイドルグループNGT48のメンバーとファンのトラブルをめぐる問題について書いた論文を、大学のホームページ上で公開したところ、NGT48の運営会社「Vernalossom」から削除を求める抗議文が届き、大学に削除されたということです。 これについて、平山教授は憲法で保障されている学問の自由を侵害されたとして、運営会社と大学に対して論文の公開と賠償を求めています。 会見で平山教授は「研究者にとっていちばん重要なのは、自分
兵庫県にある日本製鉄の工場で先月、エックス線を使う測定装置の点検中に事故が起き、男性社員が年間の限度量の数倍から数十倍に及ぶ大量の被ばくをした可能性があることが関係者への取材でわかりました。事故を重く見た厚生労働省は通知を出して同様の測定装置を使っているほかの企業に被ばく防止の徹底を求めるとともに労働基準監督署などが事故の状況を調べています。 日本製鉄や警察などによりますと先月29日、兵庫県姫路市にある日本製鉄の瀬戸内製鉄所の工場でエックス線を照射する測定装置の点検をしていた30代と50代の男性社員2人が翌日の30日になって体調不良を訴え、病院を受診しました。現在、2人は高度な被ばく医療を提供する広島大学の医療施設で検査や治療を受けています。 関係者によりますと、2人は29日の作業でエックス線を一定時間、浴びた可能性があり法令で定められている1年間の被ばく限度の50ミリシーベルトを大幅に超
行政のデジタル化に向け各省庁が民間企業などと結んだ契約について会計検査院が調べたところ、競争入札にもかかわらず、70%以上の入札に1業者しか参加していなかったことが分かりました。価格競争が働きにくい状況で、検査院は「競争性を確保する工夫が必要だ」とする報告書を国会に提出しました。 会計検査院は、行政のデジタル化に向け各省庁が平成30年度に民間企業などと結んだ「情報システム」の契約状況について、国会の要請を受けて調べました。 その結果、423件で「競争入札」が行われていましたが、このうち入札に1業者しか参加しなかった「1者応札」が73.9%を占めていたことが分かりました。 予定価格に対する平均の落札率は96%と高止まりしていて、複数の業者が入札に参加したケースより13.5ポイントも高くなっていました。 価格競争が働きにくく契約金額が割高になった形で、特にシステムの「改修」に関する契約はほとん
「私たちの原子炉が提供するのは、はるかに異なるレベルの安全性です。福島の事故のすべての教訓も、設計に役立てました」 インタビューに対し、こう強調したのは「小型原子炉」の開発を進める、アメリカのスタートアップ企業の創業者です。 小型原子炉とは、いま多くの国が開発に力を入れている新型の原子炉。 気候変動を食い止めるための脱炭素化が世界的に求められている中、私たちが使う電力を作る選択肢となり得るのでしょうか。(国際部記者 田村銀河) 壁一面にモニターが並ぶ制御室。アメリカ西部・オレゴン州に本社を構えるスタートアップ企業「ニュースケール」のシミュレーションルームです。ここでは建設が予定されている小型原子炉の運転のシミュレーションが繰り返し行われています。 小型原子炉とは、出力が比較的小さい原子炉のことです。IAEA=国際原子力機関の定義では出力が30万キロワット以下とされ、従来のものに比べると3分
東日本大震災の教訓を次の世代に伝えるため当時の資料や映像を集めてインターネット上で公開するデジタルアーカイブで、閉鎖や閉鎖を決めたものが相次いでいることが分かりました。専門家は震災の実態を伝えるデータが散逸するおそれがあるとして「防災の新たな知見に役立つ可能性がある資料を、どう残していくか議論が必要だ」と指摘しています。 東日本大震災に関連するデジタルアーカイブの取り組みをめぐっては、政府の復興構想会議が震災直後の2011年5月に「大震災の記録を永遠に残して科学的に分析し、教訓を次世代に伝える」ことを復興の原則に掲げました。 自治体や民間団体、企業などが被害や復旧・復興に関連する資料などを公開し、現在、確認できるだけでも40以上に上っています。 ところが、これまでに少なくとも3つが閉鎖したほか、今月末には日本赤十字社が東日本大震災と原発事故での活動記録や救護班員の手記、写真や動画などおよそ
「県外の恋人とは会うな」「夫と別居するまで出勤停止」勤務先から指示されたという新型コロナウイルスの感染防止対策の例です。感染を防ぐための自由の制限。あなたはどこまで受けいれますか? (社会部 記者・高橋歩唯、植田治男、科学文化部 記者・水野雄太)
4年前、旭川医科大学の教授が論文を発表した際、掲載した写真をインターネット上から盗用していたことがわかりました。教授はすでに退職していて大学は処分しないとしていますが、陳謝するとともに、再発防止に取り組むとしています。 写真を盗用していたのは旭川医科大学の元教授です。 大学によりますと、この元教授は2017年3月、学会誌に論文を発表した際、掲載した写真10枚をインターネット上のほかの研究者のホームページなどから盗用していたということです。 去年、文部科学省に匿名の情報提供が寄せられて問題が明らかになり、元教授は大学が設けた調査委員会に対し、「ネット上に公開されていると勘違いした。盗用する意図はなかった」と述べたということです。 これに対し大学は、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったと言わざるを得ない」として、盗用したと結論づける一方、元教授が退職していることなどから処
東日本大震災から10年を迎えるのを前に、関係する学会が集まってシンポジウムが開かれ、環境調査のために集められたサンプルやデータを残しておくことが重要だなどの意見が出されました。 このシンポジウムは、ことし3月に東日本大震災から10年を迎えるのを前に、日本学術会議が連携する学会とともにオンラインで開きました。 この中では、日本海洋学会の神田穣太会長が、震災後に海中の放射性物質の量や生態系の変化など、環境調査のために、さまざまな研究機関がサンプルやデータを集めたが、今後、新たな視点で研究が行われる際にも利用できるよう残しておくことが重要だといった意見を出していました。 また、日本原子力学会の中島健会長が、原発について、自然災害や深刻な事故への対策を強化すべきとする7年前の提言が、電力会社や国などでどのようにいかされているか、フォローアップを続けていることなどを紹介しました。 シンポジウムでは、
福島第一原子力発電所では建物の地下に高濃度の汚染水がたまっていて、その量を減らす取り組みが進められていますが、東京電力はタービン建屋と呼ばれる建物などで水抜きを終え、目標としていた年内に床面の露出を完了したと発表しました。 福島第一原発の原子炉建屋やタービン建屋と呼ばれる建物などの地下には、事故で溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」を冷やすため、原子炉に入れ続けている水が汚染水となってたまっています。 東京電力はリスクの高いこの高濃度の汚染水を減らすためタービン建屋などで水抜きを行っていて、年内に床面を露出させるとしてきた目標を、今月達成したと発表しました。 また、汚染水を処理したあとの水に、まだ基準を超える放射性物質がトリチウム以外にも残っている問題で、東京電力は処理施設で再度除去する試験を行った結果、基準を下回るまで低減できたと発表しました。 東京電力は、仮に環境に放出する場合は、
東京のど真ん中でひっそりと営業を続ける書店。日本で唯一とされる気象の専門書店には入門書から素人には完読不能な学術本までそろっています。広く知られてはいないけれど多くの人たちに愛されてきた書店は、来月その歴史を閉じることに。店をのぞくとそこには深遠で濃密な気象の世界が広がっていました。(社会部記者 内山裕幾) 気象庁の正面玄関から入って薄暗い廊下を進むこと50メートル、その書店が見えてきます。 名前は津村書店といいます。 中に入ると天井まで積み上げられた本にまず圧倒されました。30平方メートルほどのこぢんまりとした店内を歩くと、本のにおいがまとわりついてきます。天気に関する新書や地震・火山の学術書、気象を題材にした小説にいたるまでいかにも専門書店といった雰囲気です。 平積みになっている大型本を1冊手に取ってみました。 『らくらく突破 気象予報士 かんたん合格テキスト』(3520円) え、これ
東日本大震災と原発事故が起きてからまもなく9年半となるのを前に、原発事故の記録を後世に伝える伝承館が公立の施設として初めて福島県双葉町に完成し5日、内覧会が行われました。 展示室には津波や原発事故の当時の様子を物語る写真や資料、およそ150点が展示されています。このうち事故に対応する拠点となった大熊町のオフサイトセンターのホワイトボードには、住民をヘリコプターで避難させた記録などが記され、事故直後の混乱した様子がうかがえます。 また、原発が立地している双葉町に掲げられていた「原子力明るい未来のエネルギー」という標語の看板の写真パネルは事故が起きるまで地元が原子力を積極的に推進してきたことを物語っています。 この伝承館には地元の語り部も常駐することになっています。 福島県生涯学習課の渡邉賢一課長は「震災から9年半がたとうとしていますが、福島で何が起きたのかを知ってもらい、災害について自分のこ
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