【シンガポール=塚本和人】オーストラリアのラッド首相は19日、地元テレビの番組で、南極海での日本の調査捕鯨について「外交的手段を通じてやめさせられなかった場合には、次の調査捕鯨シーズンが始まる今年11月までに国際司法裁判所(ICJ)に提訴する」と述べた。これまでも提訴を辞さない考えを示してきたが、具体的な期限に言及したのは初めて。 ラッド政権は、気候変動問題への対応などをめぐって国内で批判を浴びている。年内にも総選挙の実施が見込まれるなか、日本との関係に影響が出ても、国民の多数が反対する調査捕鯨に強い態度で臨むことで、支持を回復する狙いがあるとみられる。 南極海では今年に入り、米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の抗議船と日本の調査捕鯨船団の監視船が衝突したほか、SSのメンバーが日本船に侵入して拘束されるなど、調査捕鯨をめぐる問題が改めてクローズアップされている。 実力行使を辞さ