戦国時代、イエズス会の宣教師・フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸して布教活動を始めたのを皮切りに、以後日本各地でイエズス会によるキリスト教の布教が行われるようになりました。 当時、日本の宗教といえば神道・仏教が特権階級のみならず文字を読めない一般階層にまで浸透していたわけですが、宣教師たちはそのような日本の宗教環境をどう感じたのでしょうか。また、ヨーロッパから遠く離れたアジアの片隅の国家をどのように見たのでしょうか。 日本をヨーロッパのミニチュアとして見た 現代の私たちの感覚からすれば、日本列島全体でひとつの国と捉えられますが、室町幕府の中央政権がほぼ機能せず、各地で群雄割拠していたような戦国時代に、現代と同じような感覚で「国家」と呼べるほどの政治体制があったといえるかどうかは疑問です。 ただ、外からやってきたイエズス会の宣教師たちは戦国当時の日本を共通の一言語をもつひとつの国家とみなし