低金利の円を売って、高金利通貨を買う戦略、いわゆる円キャリートレードは、いまや一般紙やテレビ番組でも取り上げられており、お馴染みとなりました。 しかしほんの数年前は、ドル・キャリートレードが幅をきかせていたことをご存知でしょうか? 2000年後半頃から米国経済は後退期に入り、2001年9月の同時多発テロ事件の影響などもあり2001年末から2004年にかけて米国の政策金利はわずか1%台という歴史的な低水準に位置していました。(詳細な金利推移は『カレンダー』のチャート集をご参照ください。) 世界中の投資家たちはこぞって、この米国の超低金利に目をつけて、米ドルを売って他の高金利通貨を買う戦略を採用しました。当時(いまからほんの数年前)は、キャリートレードといえば、ドルを売ることを指したくらいです。 ドルを売る一方で、買う対象として目をつけられたのが、当時の世界的な不況でもある程度の高金利水準を維