今年からグッドデザイン賞(Gマーク)の審査委員長になった川崎和男氏は、あえて生活者という曖昧な視点を排して「ユーザーの視点とプロのデザイナーの視点を結び合わせた視線の中でグッドデザインのより本質を探りたい」と述べています。一方、デザイナーや専門家の見識と美意識によって選ばれるグッドデザインは、ユーザーの求めている等身大のデザインを反映していないという指摘も多くあがっています。 日本産業デザイン振興会(以下 産デ振)の発行する雑誌「Design News」主催による「フェイス・トウ・フェイス・トーク」。今回は、デザインを評価するプロの視点とユーザーの視点を元に、川崎和男氏と気鋭のデザインジャーナリストたちによる、グッドデザインをめぐるオブジェクションです。新しいデザインの価値を新しい時代に作り出していくことはできるのでしょうか。会場は満員のデザイン関係者・デザイン愛好者で埋まりました。